初期対応のステップ別話し方のポイント

初期対応では相手のネガティブな感情を全て吐き出させることで、マイナスの感情をゼロにリセットさせます。人は話すと落ち着くので、まずは話を最後まで聴きます。途中で反論したり話を遮らないようにしましょう。感情がリセットする前に「で、どうしたいんですか?」など質問をしても反感を買ってしまいます。優先すべきはお客様の気持ちを落ち着かせることです。

①謙虚な姿勢を示して感情と情報を引き出す

まずは、お客様に対して「わざわざ知らせてくれてありがとうございます」「ご一報ありがとうございます」という謙虚な姿勢を示す「感謝のことば」を伝え、敵対的な関係でないことを示します。

②気持ちを静めるため丁寧にあやまる

もしお客様が怒りで冷静さを失っている様子であれば、まずは丁寧にお詫びの言葉を伝えて気持ちを静めてもらいます。この時のポイントは、詫びる対象を限定することです。クレームの内容をきちんと把握しないままに全面謝罪はNG。この段階では、対象を特定して「○○に関して申し訳ございません」というフレーズを使います。

例えば、説明不足に対して、お手数をおかけしたこと、そして大切なのが感情に対してのお詫びです。初期対応のお詫びの言葉を知っておくと、いざという時に慌てずに対応できます。

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初期対応のお詫びの言葉の例

「不愉快な思いをさせてしまい申し訳ございません」
「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」
「ご不便をおかけして申し訳ございません」
「説明が充分に行き届かなく、申し訳ございません」
「せっかくのご信頼にお応えすることができず、申し訳ございませんでした」等

返品の提案よりも「お怪我はありませんでしたか?」

③あいづちで共感する

相手の怒りを鎮め、解決の糸口を見つけるには「あいづち」で感情に理解を示すことも重要です。「はい」という短い返事でも気持ちを込めれば十分伝わります。一方、いくら丁寧な言葉でも機械的だとむしろ軽くあしらわれているという気持ちにさせます。お客様は怒りを分かってほしいのです。ですから、お辛かったですね、不安でしたよね、ご不便でしたよねというシンプルな言葉でも気持ちが込められていれば伝わります。

共感を伝えるあいづちのバリエーションには、「はい」「そうですか」「ご事情お察しいたします」「お気持ちは理解できます」「さようでございましたか」等があります。

また、気遣いある言葉をタイミングよくかけることも大切です。例えば、お客様が「昨日、こちらで買ったんだけど」とおっしゃったら「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えます。「購入したコップにひびが入っていた」というお客様の場合であれば、「お怪我はありませんでしたか?」等、返品の提案より先に気遣いある言葉をかけて気持ちに寄り添いましょう。