同じ話を繰り返されても「ですから」は禁物

④逆説、否定の言葉は使わない

お客様の気持ちを逆なでしてしまうのが、「そうおっしゃいますが」「ですが」「でも」「しかし」という逆説の言葉です。また、間違っても「いいえ違います」「そんなはずはありません」等お客様の言葉を直接否定する言葉は使わないこと。

それではお客様がこんな風に言ってきた場合、どう返したらいいでしょうか。

・「そんなこと聞いてないよ!」と言われた。
→「いいえ、お伝えしてあるはずです」と反論をせず、「わかりやすい説明ができておらず失礼しました」と返しましょう。

・「そもそもスタッフの教育がなってない」というご指導を受けた。
→この場合、線引きが必要です。直接迷惑をかけたことに関してはお詫びをしますが、直接関連がない社員教育にまで口を出してくる場合には、「日々精進してまいりますので、どうぞ温かい目で見守っていただければと思います」と返しましょう。

・何度も同じ話を繰り返す場合。
→ついうんざりして「ですから」と返しそうになりますが、それでは神経を逆なでします。一呼吸置いて「○○様のおっしゃりたいことは○○でございますね。先程しっかりお伺いしております」と丁寧な受け答えをしましょう。

⑤オウム返し話法で繰り返す

お客様の言ったことを繰り返すと、自分の話にしっかり耳を傾けてくれていると気づいてもらえます。

例)お客様「頼んだものと違う商品が入っていたんだけど」

×店員「はい、ではお調べいたしますので伝票番号を教えていただけますか」
○店員「お求めいただいたものとは別の商品が届いたということですね。大変申し訳ございません。お調べしますので恐れ入りますが伝票番号を……」

このように、先を急がず、お客様の話を繰り返してから丁寧に進めましょう。

⑥説明、提案をする場合

一方的に話をされると思わず言い訳をしたくなりますが、言い訳や反論は控えます。こちらに全く非がない場合であっても、相手が完全に話し終えてから事情の説明を行います。

説明をする前には、一通りお客様が話をしたところで「おっしゃりたい事を全て言っていただけましたか」と確認をして、自分が話してもいいか許可をとりましょう。

次に「○○の件について○○様は、どのような状態になれば理想的ですか」と「○○の件」と限定した上で、相手が期待している状態を訊ねるのです。ここでのポイントは、「(私どもに)どうしてほしいですか?」という質問ではないことです。

怒りが静まったところで「どんな状態になりたいのか」言ってもらうと、時として自分で解決法を考える自己説得になることがあります。例えば、「取扱説明書の文字が小さくて読めない」というクレームに、どのような状態になれば理想的かとお客様に質問したところ、「説明書が読めればいいんだよ!」と答えたとします。このご自分の言葉で、もしかしたら、メガネの度数を変える、老眼鏡を使うという解決法が思い浮かぶかもしれません。

もちろん問題解決の提案として、「Webページからダウンロードして読みやすい説明書をご覧いただけます」とご案内しても情報として間違ってはいません。しかし、万が一PCを日常的に使っていない方だと、いきなり説明を始めると不親切だと思われるかもしれません。

そこで、いったん相手の理想の状態を話してもらった上で、「説明書をお読みいただけるよう、私どもにできることは何かと思いながらお客様のお話を伺っていたのですが」と前置きをしてから、Webページからのダウンロードの説明に入ると、自分を丁寧に扱ってくれていると伝わり話を聴いてもらいやすくなります。

「できないものはできない」も肯定表現で伝える

全ての要望に応えられるわけではないので、できないこと、意向に沿えないことを説明することもあります。その場合、「できません」「わかりません」など、否定語で切り返すと拒絶しているように聞こえます。お客様へのお断りは、「いたしかねます」「わかりかねます」という表現にすると否定の印象が和らぎます。

「不快な思いをさせてしまい申し訳ございませんが、ご希望に添いかねます」
「貴重なお時間を頂戴してしまい申し訳ございませんが、即答いたしかねます」

また、否定表現ではなく肯定表現を使って伝えると説明を受け入れてもらいやすくなります。例えば、

お客様:「週末は休みなの?」
担当者:「はい、恐れ入りますが変更手続きは平日に対応しております」
お客様:「平日だと、仕事があってちょっと難しいんだけど」
担当者:「お忙しいなか恐縮ですが、オンラインでも変更手続きができますので、期日までになんとかご協力いただけないでしょうか」

「平日じゃないとお手続きができません」と言うと否定の印象が強まりますので、このように肯定表現に変えて伝えましょう。

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