PRESIDENT(以下、P):日本人は、目の前のことを片付けるのだけが得意。だから目の前のことばかりやっている。目に浮かびます。それって本質ですね。それを超えるために、フューチャーセンターが必要なのでしょうか?
IT企業 マーケティング部長 Cさん:最近は、社員が意見を言わなくなってきています。活発でないのは寂しい。そもそも、一人ひとりが自分の『未来図』を持っていなければならないと思うんです。これを持たなければ、会社に『帰属』することになってしまう。未来図を持った上で、『参加』しなければいけない。フューチャーセンターは、そのことを思い出させてくれます。
ITサービス企業 R&D企画 Fさん:僕が、フューチャーセンターで一番面白いと思ったのは、「500作る」と言われたときです。日本で500もあるのなら、うちの会社にも1つはないとまずいかな、と考えました(笑)。フューチャーセンターが当たり前の世界になったとき、うちの会社にはどんな意味や影響があるのだろうか、と考え始めました。何度か経験するうちに、日本にとってフューチャーセンターは必要なモジュールなのだと確信しました。役員会議をフューチャーセンターにすることができないかな、と思いましたよ。
P:企業のあり方が、これから変わっていくだろうということですね。
認知症関連NPO 理事 Bさん:僕が感じるのは、ふつうに『未来について語れる場』がない、ということです。先のことばかり話すと、バカだと思われるんです。安心してしゃべれる場、『さぁ未来について話すよ』と言われないとしづらいですよね、そういう話は。たとえば茶室に入ると、その中の作法が共有されていますよね。未来について語るんだという、前提を共有することが大切なのだと思います。
P:未来のことを話すと、おかしい人だと思われる。確かに、会議室では、未来のことは話しませんよね。
空間デザイン会社 マーケッター Nさん:デザイナーやプランナーが大勢いる会社なのですが、昔はみんな好きなことをやっていたのに、今は行き詰まり感があります。自社の中にも「クリエイティブを創発する場」を作りたかったのです。