ヘンリー王子夫妻と何が違うのか
9月中旬、試しに「眞子さま」とネットで検索してみた。すると、小室さんをバッシングする週刊誌報道の見出しが、これでもかというほど目の前に飛び込んできた。
「眞子さまの嫁姑問題が発生したら…専門家「圭さんは間違いなく母親側に」」
「眞子さま渡米直前に…小室さんの履歴書「虚偽記載」疑惑、就職にそれでも影響がないワケ」
「小室圭さん“緊急帰国”で警備はIOCバッハ会長級 結婚反対デモ強行の恐れも」
「小室圭氏が狙うのは眞子様の貯金1億円?一時金辞退しても「へっちゃら」、予定調和の会見&VIP待遇帰国に批判噴出」
週刊誌やスポーツ紙は見出しで売りたいというのもわからないでもない。しかし、そういう実情を差し引いても、ここまでネガティブな見出しが並ぶと、普通の人は、精神的に病んでしまうのではないだろうか。
まして、これらは、眞子さまが一時金を辞退すると発表した後の報道である。「じゃあ、どうすればいいの?」と言いたくもなるだろうが、お2人はそのお立場上、言い返すこともできない。仮にアメリカに逃げ出したいと思ったとしても、十分理解できる。
また、ハリー王子とメーガン妃とお2人との決定的な違いは、眞子さまと小室さんは、結婚したら皇室から離れることが決まっている点だ。ここまで若い2人をバッシングすることが、逆に眞子さまを完全に皇室から遠ざけることになりはしないだろうか。
皇室のアイドル化と「一億総“親戚のおばさん”化」
なぜこんなことになったのだろう。皇室のメンバーはアイドルでもなんでもないが、戦後、メディアの発達により、特にプリンセスはアイドルのように扱われてきた面があり、それがここまで眞子さまの結婚に関する話題が紛糾した要因の一つでもあると感じている。
以前、私は取材の一環として皇居に行ったことがあるが、敷地内には馬場があり、美智子上皇后さまの結婚式のパレードで使われた馬車なども展示されていた。うっとりするような結婚式のパレードの写真も飾られていた。まさにシンデレラのようなお姫様に国民がアイドルに対するかのような気持ちを持つのも無理はない。雅子皇后さまのご結婚の時も、日本列島は「雅子さまブーム」に覆われた。
皇室の経費は国費で賄われているが、だからといって、国民全員が親戚のおばさんのように、ああでもないこうでもないと、次から次へとこの結婚の善しあしを語る状況はいかがなものだろう。