数年に渡る「妻と愛人の戦い」が始まった
念願のバッグが手に入った日、K子はうれしさのあまりSNSに写真つきでアップした。その投稿がWさんの夫婦関係を危機に陥れる火種となったのだった。「妻の親しい友人が同じブランドのバッグのコレクターだったことからK子のSNSにたどり着いてしまったんです。そこにたびたび写りこんでいる僕の存在に気づき、『旦那さん、大丈夫?』と妻に注進したようでした。
夫は仕事ひと筋だと信じて疑わなかったWさんの妻は、夫が若い愛人にうつつを抜かしていたことに激怒。妻である自分に愛情がなくなったことより、夫が愛人の言いなりになり、湯水のごとく不倫にお金を使って楽しんでいることが許せなかったのだ。
当然のことながら、不倫が発覚したWさんは、妻によってK子と別れさせられることになった。二人の不倫関係は、Wさん側がK子に“手切れ金”を支払って終わり、となるはずだった。
ところが、驚くべきことにK子はあきらめなかった。「自分にとって、こんなに都合のいい“パパ”を逃す手はない」と考えたのか、Wさんの妻に対し「彼とは別れるつもりはない。逆に、いつまで愛情のない結婚生活を続けるつもりか?」と挑んできたのだった。そこからWさんをめぐる妻と愛人の戦いははじまり、数年にわたって修羅場が続くことになった。
長続きしない“貧乏不倫”、修羅場になるまで続く“金持ち不倫”
“金持ち不倫”と“貧乏不倫”を比較した場合、いろいろ見てきたなかでひとつ確実に言えることがある。それは、「“貧乏不倫”は関係が長続きしないが、“金持ち不倫”は修羅場になるまで続くことが多い」ということだ。
男性に経済的な余裕のない“貧乏不倫”の場合、関係が長引く分だけ不倫相手の負担も増えるため、女性のほうが逃げ出すケースが少なくない。「お金と時間をこんなに費やしてまで、私は何をしているのだろう?」と、不倫という関係性を冷静になって考え、終止符を打つことを決断する女性もいる。
一方、“金持ち不倫”の場合、不倫活動への潤沢な資金が投入され続ける限り、関係がなかなか終わらないケースが多い。男性はお金をかけてでも得られる快楽に満足し、不倫相手の女性も居心地のいい関係を自分から断ち切る理由が見当たらない、と思い込んでいるからだ。
とはいえ、“金持ち不倫”も“貧乏不倫”も、どちらも不倫であることには変わりはない。結局、自分のなかの問題に気づこうとしないまま不倫を続けていてもその先に幸せはない、ということだけは事実のようだ。