割安感では太陽光発電に軍配があがる。さらに、本来かかる光熱費を削減できた分をお金に換算して、初期投資分を回収できるかを確認してみると、エネファームは「現段階では、設置先のお客様にとって、投資回収は難しいと認識しています」(発売元のひとつ、エネオスのHPより)。年間の光熱費を約40%減らせるものの、元をとるにはいたらない。
一方の太陽光発電は売電効果も手伝って経産省の試算では約10年で投資回収できるとしている。ただし価格、日照時間などによって、回収15年以上というケースも報告されている。
普及数は09年12月現在で、太陽光発電が約52万件。これに対して、売り出されたばかりのエネファームは2380件にすぎないが、目標数はクリアされている。主に家をリフォームする際に設置する家庭が多いようだ。
割高感がある中で、導入者が増えているのは、補助金ゆえ。こうした補助枠は最初が一番大きく、普及するに従い減っていくもの。エネファームの価格を将来的に100万円以下まで引き下げる計画もあるが、その頃には補助金も少額のはず。補助金メリットを感じたいなら「買うのは今」だ。
鳩山首相が宣言した、20年までに温室効果ガスを「1990年比25%削減する」という目標。エネファームはその目標をサポートすることは確か。電線などを経て供給される電力は、家庭に届くまでに大きなロスが生じる。それに対してガスはロスが少なく、エネルギー効率が極めていい。COP15開催などを契機にエコ意識が高まっていけば、自宅発電ブームが到来するかもしれない。(編集担当・藤原昭彦氏談)
※すべて雑誌掲載当時