7月末には感染の75%以上がデルタ株に置き換わる

7月27日の火曜日、東京都は「都内で新たに10歳未満から100歳以上までの男女合わせて2848人が新型コロナに感染している」と発表した。1週間前の火曜日の2倍以上の感染者数に上り、過去最多である。1日に2000人を超えるのは、第3波の今年1月15日以来となる。

感染者のうち65歳以上の高齢者の割合は2%台で、30代以下が7割を占める。40代、50代の入院が増え、インド由来の変異ウイルスの「デルタ株(L452R)」の割合も急速に増加。感染経路は「家庭内」が最も多く、これに「職場内」「会社・施設内」「会食」が続いている。

楽観的に見れば、今後さらにワクチンの接種層が広がり、全体の感染者は減り、重症者や死者も減るとは思う。いわゆる集団免疫の獲得だが、そこまで行きつくにはどれだけ早くても10月以降だろう。ただし、これもウイルスが大きく変異しなければ、という楽観的な仮定である。

国立感染症研究所によると、デルタ株の感染力はイギリスで確認された変異ウイルスの「アルファ株(N501Y)」と比べても1.4倍の感染力があり、このまま感染が広がると、7月末には感染の75%以上がデルタ株に置き換わる。

東京都が4回目の緊急事態宣言に入ったのが、7月12日の月曜日だった。それから2週間となる26日の月曜日は1429人の感染が確認され、1日の感染者数が1000人を超えるのは7日連続となった。

本当に東京五輪を中止しなくていいのだろうか

2848人という過去最多の感染者数を記録したことに、菅総理大臣は首相官邸で記者団に質問されて次のように語った。

「各自治体と連携しながら、強い警戒感を持って、感染防止にあたっていく。重症化リスクを7割減らす新たな治療薬を政府で確保しているので、徹底して使用していくことも確認した」
「改めて国民の皆さんには、不要不急の外出は避けていただき、オリンピック・パラリンピックは、テレビなどで観戦をしてほしい」
「車の制限やテレワークのほか、皆さんのおかげで人流は減少しているので、(東京オリンピックを中止するような)心配はない」

本当に東京五輪を中止・中断しなくていいのだろうか。もはや、「首相を続投したい」とのおのれの欲望を優先するような首相は信用できない。与党議員からは8月24日から始まる東京パラリンピックの中止を求める声が上り、自民党内では「今度の衆院選は菅さんでは負ける。選挙の顔となる党総裁を新たにすえ、新首相のもとで選挙戦を戦うべきだ」との意見も出ている。

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7月28日には都内の感染者が3000人を超え、7月29日には1日の全国の感染者が初めて1万人を超えた。過去最多の感染者数の更新が続いている。