親の読み聞かせが「国語得意」で「読解力ある」子に育てた

僕らのような非エリート系が、急激に成績を上げて、逆転合格できたことの要素のひとつに「国語力の高さ」があげられます。

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僕ら「逆転合格組」の東大生たちは、文系・理系に関係なくほとんどが「国語が得意」と答えます。文字や文章に対する恐怖感、嫌悪感がないのです。

大学センター試験(現在の大学共通テスト)では5教科7科目で高い回答率を求められ、東大での個別試験ではより難解な問題に挑みます。そうした東大受験において、「読んだ内容を理解する力(=読解力)」や「粘り強く読む力」は合格するための必須条件です。膨大な量のテキストを読み、暗記し、知識として運用しなければいけません。ですから、「読むのが苦手」というだけで、このレースからふるい落とされてしまうのです。

逆に言えば、「読解力がある」ということは、東大に限らず、受験において非常に有利になります。この能力が勉強に一役買っているであろうことはほぼ間違いありません。読解力こそが、「東大逆転合格」のカギになったのです。

そして、この「読解力」という曖昧な能力は、幼い頃の読み聞かせによって身についているのではないか。僕はこのように考えています。

つまり、僕らの親が、僕らが読書好きになるような育て方をしたからこそ、国語の運用能力が身についたのではないか。その結果として、僕らは圧倒的不利な条件・状況下からでも、東大に「逆転合格」して受かった。

わが子を東大に入れる読み聞かせの極意 1「親自身が楽しむこと」

そうした仮説・視点で、『一発逆転本』を読み直し、近しい東大生への聞き取りをしました。その結果、子供の国語力を飛躍させる「読み聞かせの2つの極意」を発見したのです。

まず、ひとつつ目。それは「親自身が楽しみながら読み聞かせしている」ということでした。本に登場する10人の東大生の親、そして僕の友人の東大生の親、そのすべてが「本を読むのが大好きな親」もしくは「読み聞かせ自体がとても好きな親」だったのです。一般的には「子供の教育のため」という意識を持って読み聞かせをする親が多い中、東大生の親は、子供はどうあれ、自分が好きだから読み聞かせをしていたのです。

例えば、『一発逆転本』に登場する現在法学部3年のTさん(男性)。

彼の母親は、取材に対して「私が本好きだったので、絵本の読み聞かせは自分としても至福の時間だった」と語っています。読んでいる最中、ストーリーに感情移入しすぎて、わが子を差し置いて泣いてしまうことも珍しくなかったといいます。

僕の母も読み聞かせが大好きでした。母は学生時代に演劇部に属していたこともあり、絵本の読み聞かせをするときにも臨場感たっぷりに演技を交えながら読んでくれました。しかも、その冊数がとにかく半端ない。なんと、図書館で数十冊の本を借りて来ては、1日で全部を読んでくれたというのです。