“砂糖断ち”させられたラットがとった行動は…
砂糖を大量摂取することを習慣にしてしまったラットを人工的に作り、逆に砂糖を与えない期間を設け、再び与えることにする。すると、再度砂糖を与えたときには、砂糖をもらうためにラットはあらゆる努力を惜しまなくなる。つまり砂糖には依存性があるということがわかったのだ。
空腹時に多量の砂糖をラットに与えた場合には、脳内でコカインとかモルヒネ、ニコチンといった依存性薬物に反応するときと同じような神経化学反応が出たそうだ。
なおかつ、砂糖の摂取量がその後増えていく。さらに驚いたことに、砂糖の供給を断たれたラットは何とアルコールを欲しがり、アルコールの摂取量も増えることがわかったのだ。これはつまり、砂糖の多量摂取で脳の機能がおかしくなったということを示している。
ラットの実験がそのまま人間に当てはまるわけではないだろうが、似たような反応を起こす可能性を否定することはできない。参考にすべきだろう。
よく根を詰めた仕事をしたあとなどに、脳が疲れたから脳みそに甘いものを与えなくては、とチョコレートを食べる人がいる。脳のエネルギー源はブドウ糖なので、脳を使ってエネルギーを消費したときにブドウ糖を補うのは正しいことだ。
しかし、だからと言って砂糖がたっぷり入ったチョコレートや清涼飲料水を摂取してしまうと、急激に血糖値が上がり過ぎて身体は対応ができなくなってしまう。脳に栄養補給するなら、緩やかに吸収される方法でブドウ糖を摂ることが重要だ。
間違ってもチョコレートをバクバク食べたり、缶コーヒーや缶ジュースをぐびぐびやらないように、注意を喚起したい。