お手伝いで考える力がぐんぐん伸びる
子どもが自分で考える力を身に付けるにはお手伝いも役に立ちます。お子さんに、何かお手伝いをさせていますか?
「子どもに頼むと、かえって時間がかかってめんどうだからやらせない」という人がいますが、お手伝いは子どものさまざまな能力を伸ばす上で、大きな役割があります。
国立青少年教育振興機構が行っている「子供の生活力に関する実態調査」によると、保護者が、勉強以外のさまざまなことをできるだけ体験させているほど、その子どもの生活スキルが高い傾向が見られるという結果が出ているのです。
特に注目したいのが、お手伝いをたくさんしている子ほど、課題解決スキルが高くなるという結果です。
この調査では、コミュニケーションスキルとして、「人の話を聞くときに相づちを打つこと」「自分と違う意見や考えを、受け入れること」などを、課題解決スキルとして、「一つの方法がうまくいかなかったとき、別の方法でやってみること」「目標達成に向けて努力すること」などをあげています。
確かに、お手伝いをすることで、どうしたらうまくできるかを考えて段取りよく動くことや、気配りや人と協力する力も育まれそうです。これって、そのまま社会人として必要な力ですよね。
たとえば、料理を一品作るとして、予算を決めて、家にある食材をチェックして足りないものを買うことから子どもに任せるというのはどうでしょうか。
本当に子どもの気持ちに寄り添えているか
しかし、「お手伝いを頼んでも、めんどうがってなかなかやってくれない」という人もいます。そうですよね。お手伝いって、何か楽しくないことを押し付けられるというイメージがありますからね。
でも思い出してください。
お子さんが小さいときに、親のまねをしていろいろなことをやりたがりませんでしたか? それが実はお手伝いの始まりでした。
子どもには本来、できるようになりたいという気持ちや、人の役に立ちたいという気持ちがあります。家族の一員として、子どもにも何か仕事を任せてみましょう。そのときに大切なのは、子ども自身がやってみたいという気持ちになることです。
そのためには、子どもができそうなことで、やってみたいと思うことを、子どもと話し合いながら決めて任せてみてください。お仕事のリストをつくって、どれならできそうか、子ども自身に選んでもらうというやり方もいいですね。
先の調査でも、保護者が「もっと頑張りなさい」とか、小言をいう「叱咤激励」的な関わりをしても、子どもの生活スキルは上がらないという結果も出ています。親のやってほしいことを押し付けるのではなく、子どものやってみたいという気持ちを大切にして、ぜひお手伝いを習慣にしてみましょう。