忘れ物をゼロにする魔法の言葉

とはいえ、「忘れ物をするのは仕方ない」とばかりも言っていられません。

では、この問題を解決するには、どうすればよいのでしょう。

それは、「て」を「たら」に変えることです。

「どうしていつも忘れ物をするの!」と怒る代わりに、「どうしたら忘れ物しなくなるかな」と聞くということです。

「どうしたら」というのは、未来に向かって解決を促す質問なので、「どうしたらいいかな?」と聞かれると、頭の中では自動的に「どうしたらいいかな」と小さい子どもでも考え始めます。それがまさに、思考力を育てていくチャンスなのです。

青の背景にクエスチョンマーク
写真=iStock.com/MicroStockHub
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そして、具体的な解決方法を考えられるように促し、自分で決められたら(判断力が成長)、それを言葉にする(表現力が育つ)。しかも、自分で決めたことはやる可能性が高いから、お母さんの困りごとも解決する可能性が高くなります。

問いかけひとつで成績も上がる

もちろん1回ですべてが解決するわけではありません。子どもに解決策を考えさせるには、親の忍耐力も必要です。

でも、この忘れ物問題一つとっても、こういう解決を促すアプローチをするかしないかは、大きな差になります。

子どもがテストで同じ間違いをする、思うように成績が伸びない……そんなときも、「どうして」と責めるのではなく、「て」を「たら」に変えて、お子さんに考える機会を与えてください。この話は、中学受験の保護者講演会でもお話しているのですが、実際に親子関係がよくなり、子どもの成績も上がったと喜ばれているのでぜひやってみてください。

ちなみに私も、充電していた携帯を忘れて出かけて困ったことが何回かあったので、どうしたら忘れないかとセルフコーチングをして、翌日持っていくかばんの中に入れたまま充電することにしました。以来、充電していた携帯を忘れることはなくなりました。