質問1 動物に生まれ変わるなら何になる?
これは、ジュニア年代のサポートを始めるときによく投げかける質問です。
一見、スポーツとは見当違いに思われがちですが、これは自分自身が何を求めているのかを表面化する質問です。
「ライオンになりたい」と言うテニス選手がいました。理由は、「動物の王様で一番強そうだから」と。
「一番強い」という部分に欲求を持っていることを表します。さらに彼は、「強くて、たてがみがかっこいいのが、他の動物には無くて良い」と、他とは違う存在になりたいという欲求が明確化されます。
ある野球選手は、「何も考えずゆっくりしたいから、ナマケモノ」という選手もいました。その選手の目標は「将来怠けて暮らせるほど稼ぐ」というふうに設定できました。
欲求が明確になると、どんな自分を作っていけば良いかが見えてきます。
・そのためにどんな技術をつけたらいいか?
・どんな結果が必要なのか?
・どんなチームに入っていくべきか?
という、目標を具体的に設定することができます。
このように欲求を明確化して、自分の求めているものを理解すると目標が立てやすくなるでしょう。感情がついてこない目標ほど長続きしない可能性が高くなります。欲求と目標をつなげて考えてみてください。きっとお子さんに合った目標設定ができるはずです。
スランプに陥った子
2021年は延期となった東京オリンピックが開催予定です。世界的なビッグイベントが日本で行われることは、子どもたちにとって、かけがえのない経験となり、記憶に残るでしょう。
私が子どもの頃にJリーグが開幕し、世界的スーパースターたちが華々しいプレーを見せてくれました。そのプレーから大きな影響を受けて夢を持つことができました。
私自身、少年時代に持った夢は「サッカーで有名になって、お金をたくさん稼ぎたい」でした。それが大きなモチベーションを作る要因となっていました。
しかし、プレーがうまくできなくなると、人の目や評価ばかりが気になりはじめました。有名になりたいという気持ちが強い分、人と自分を比べてしまい、うまくいっている友達に敏感になっていったのです。
友達にねたみを持ち、そして「自分には向いていないのではないか」と自己否定をする。ミスをするたびに大きく落ち込み、折れやすいメンタリティになっていました。