成果を出すには、適切な目標設定とそこに向けた努力が欠かせない。小さいころから、そうした姿勢を身につけるにはどうすればいいのか。メンタルトレーナーの清水利生さんは、「『もし動物に生まれ変わるなら』という質問を投げかけるのが有効だ」いう――。
※本稿は、清水利生『スポーツの本番に強くなる! 子どもメントレ』(東洋館出版社)の一部を再編集したものです。
何をしたいのかわかっていない子
私は幼児からトップアスリートまで様々な年代の方々をメンタルサポートしています。
特に小学生から高校生の年代のお子さんを持つ保護者の皆さんから、「目標を立てるけれども、その気持ちが長続きしない」「うまくいかないと、目標をすぐに諦めてしまう」、そんな声を多くいたただきます。
本人に合った目標とは、一体どうやって決めていけば良いのか? どんな目標設定が自分に合っているのか? 今回はそんな目標とやる気の関連性を考えていきます。
私が目標設定をするときに、すごく大切な要素だと思っているのが「願望や欲求」です。「~したい」という気持ちが、目標設定のヒントになるからです。
しかし、不思議なことに自分の求めていることなのに、自分では気づいていないことがあります。私は選手に「なんでその目標を立てたか?」という質問をよくします。選手たちは、目標達成することによって、何が自分のメリットになるか気づいていないことがあるのです。
人は不足感があるものに対して、「持っていないから欲しい」と欲求が出るものです。
例えば、お腹が空いている(不足感)から「ご飯が食べたい」という欲求が出てきます。満腹感があれば、「ご飯を食べたい」という欲求も出てきません。不足感が強いものほど、叶えたいという気持ちも強くなると言うことができます。
「願望や欲求」を明確化するためのオススメの質問を一つ紹介しましょう。