乗り心地はひとこと「かっけー!」

早速、雨風が吹き付けて街路樹が音をたてて揺れ動く中、ベンツに乗ってドライブにスタートしてみました。

すぐに運転には慣れました。

乗り心地はひとこと、

「かっけー!」

です。インパネが液晶でセンターパネルがタッチパネルになっているのは最近の日本車と同じですが、カーナビとスピードメーターはプロジェクターでフェンダーガラスに投影されます。ドライバーから見れば進行方向の道路に行先の矢印が表示される。ちょっと未来的です。

私の場合、これまでベンツの後部座席に乗せてもらう機会はあったのでインテリア装備がゴージャスなのは知っていましたが、あらためて運転席に座るとザ・高級車であることは間違いありません。ドライビングポジションもゆったりしています。あとで調べたら私の車よりも横幅が3.5センチ広いのですが、体感的にはもっと広々としているように感じました。

そして首都高では荒天かつ渋滞という条件でのクルーズコントロールを試すことができました。いや本当にこの日の天気は荒れ模様で、アイサイト搭載の日本車だと一番苦手な気象条件だと思います。それがレーダー方式ということで晴れの日と同じようにクルーズコントロールが作動します。

首都高の午後のあのいらいらするような渋滞でも、ハンドルに手をおいて前を向いているだけで、車の操作はベンツが自分でやってくれます。6時間のレンタル時間で行けるだけ遠くに出かけたのですが、それほど疲れずに夕方には都心に戻ることができました。

写真=iStock.com/Rafal Olkis
※写真はイメージです

ベンツが売れなくなってしまうのではないか

さてこんなに便利で安価で楽しいレンタカーをベンツが直営で始めてしまうと、メルセデス・ベンツ日本の売上は逆に減ってしまうのではないでしょうか? そもそもそんな疑問から今回、ベンツのレンタカーを借りてみて記事を書こうと思い立ったわけです。

ベンツのレンタカーがヒットするとベンツが売れなくなるような場合、このケースを経済学では「代替財」といいます。難しく言うと「ある財の代わりになる財」が代替財です。

バターが値上がりするとマーガリンが売れますし、ベストセラーの本を図書館が大量に購入したら、書店での売れ行きが鈍るでしょう。代替関係にある商品やサービスの片方がたくさん売れるときは、もう片方が売れなくなるときです。この「代替財」の関係がベンツとベンツのレンタカーにあるのかどうかがひとつのポイントです。