米への投資は「産業空洞化」の予兆

そうした展開が想定される中、サムスン電子などのように、自力で新しいモノを生み出すことのできる韓国企業は、海外進出を一段と重視する可能性がある。その展開が現実のものとなれば、韓国国内から海外に雇用と所得の機会が流出し、経済全体での付加価値創出力は低下するだろう。

文大統領は米韓首脳会談を自画自賛している。しかし、文政権下での労働争議の激化や中長期的な韓国国内経済の展開予想を加味すると、韓国の財閥系大手企業にとって5月の米韓首脳会談は、海外進出の足場を築く重要な機会となった側面があるように見える。

今後も韓国国内で労働争議が激化するなどすれば、海外進出を重視する企業は増えるだろう。その展開が現実のものとなった場合、韓国は産業空洞化というかなり厳しい状況を迎える恐れがある。5月の米韓首脳会談にて財閥系大手企業が対米直接投資を表明したのは、そうした変化の予兆に見える部分がある。

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