西川さんの熱い気持ちが乗ったシーン

2020年4月に放送した消臭力のテレビCMは、巻物を手にしたアーティストの西川貴教さんが街から田舎道を駆け抜けて断崖絶壁に到達し、「空気を変えるぞ」と叫ぶというものでした。

悲しいときは泣けばいい
ただ明日の朝には
笑ってる君がいてほしい
あー君に伝えたいんだ
あーこれを伝えたいんだ
空気を変えるぞ
消臭力

写真=iStock.com/Antonistock
※写真はイメージです

なぜ、「空気を変えるぞ」という強いメッセージを打ち出したのか。実は、出演者である西川さんにはその意図を詳しくお伝えしていません。しかし、西川さんは明らかに意図を理解されていて、いつにも増して真剣な表情で思い切り走り、足場の悪い場所をも駆け抜け、思い切りセリフを叫んでくれました。

西川さんの“人”としての熱い気持ちも映像には込められている。だからこそ、多くの人の心を動かす、CMソングと映像になったのだと思います。こうしたことはなかなか起こりえないことです。

感情を出すことまで自粛しなくていいんだ

西川さんが力強く「空気を変えるぞ」と歌った消臭力のテレビCMが放送された直後、ツイッターにはたくさんの感想が寄せられました。

「音楽を聴く余裕がなくなっていたことに気付き、子供と一緒に歌ったら涙が出た。心が疲れてきている今このCMを見れてよかった。空気を変えるぞ」
「笑いたくなったら笑う!怒るときは怒る!泣きたくなったら泣く!自粛だからって感情を出すことまで自粛しなくていい!」
「今日は母の誕生日!じいちゃん、ばあちゃん、ひいばあちゃんに、子供たちの元気な顔を見せられるようにみんな元気でがんばろう」
「この前お店を開けてくれてありがとう、というお客さまの心からの言葉に泣きそうになりました!(小売業)」
「泣くことを我慢するのはやっぱり良くないね!悲しいとき、つらいとき、泣いてもいいって思えることって、ほんとに素敵なことだと思う!」

しかし、その後ほどなくして、世の中の空気はまた大きく変わっていきます。

政府による、初めての緊急事態宣言の発令、「生活の維持に必要な場合」を除く外出自粛要請、学校や映画館などの休校・休業、イベント開催の制限の要請。県をまたぐ移動や飲食店の開業時間の制限、出社の制限、リモート勤務など次々に感染対策が打ち出されました。