不安だからインプットに走る

では、あなたにとっての寿司職人養成学校はどこにあるのでしょうか。

はい。そんなものはありません。あなたがフォーカス力を高めるためには、とにかくすぐにアウトプットを始めるしかありません。

仕事で成果を上げられない人は、とにかくアウトプットするのが遅すぎなんです。特に新しい仕事にチャレンジするとき、不安でなかなか動けない、という悩みをよく聞きます。たしかに「不慣れな仕事」「難易度の高い仕事」「クリエイティブな仕事」を始めようとすると、自分にはそんなスキルがないのではないかと不安になり、不安を解消するためにインプットばかり繰り返して、なかなか行動を起こせないことがあります。しかし、これこそ、仕事が遅い人が陥りがちな最大のミスです。

なぜかというと、アウトプットしてみないことには本当に重要なことは何なのか、フォーカスすべきポイントが何なのかわからないからです。

腹をくくって一歩を踏み出す

かくいう私も、経営者という新たな一歩を踏み出す前は、失敗を恐れて、不安になってばかりいました。

「営業の経験がないのに大丈夫だろうか?」
「法人税のことを勉強しておいたほうがいいのか?」
「ある程度顧客のめどが立ってから開業したほうが安全では?」
「そもそもコンサルティングについては門外漢なのに、やりがいがありそうだからというだけの理由で始めても大丈夫か? 会社に就職して修業を積んだほうがいいのでは?」

といった具合です。

しかし、ふと自分のキャリアを振り返ってみたのです。未経験だった私が放送作家になれたのは、すべて積極的にアウトプットを繰り返したおかげでした。その成功体験を信じた私は決意しました。やるのか、やらないのか。「やる」と腹をくくった私は、準備もそこそこに、とにかく起業することに決めました。