60点でアウトプットし「改善」していく

ただ、すべてのプロセス上に「改善」というタームがあれば、初めは100点を狙うよりも、60点くらいの出来でアウトプットし、上司のアドバイスやさらなるインプットをして100点へとブラッシュアップしていくことができます。一人でウジウジ悩んでいる時間がなくなるため、仕事はあっという間に終わっていくでしょう。

このように「インプット×アウトプット×改善」を高速でサイクルさせる意識を持つことを、私は「IOK高速サイクル」と呼んでいます。あなたがもし、自分の仕事がなかなか終わらないと悩んでいるならば、「IOK高速サイクル」が回っているか、常に意識しておくべきなのです。

成果を上げるための必須条件「フォーカス力」

私が働くコンサルティング業界は、尋常ではない速さが求められます。顧客のニーズに応えるために、的確な情報収集をし、最適な戦略プランを提示し、それを即座に実行に移さなければなりません。好機を逃がすとその効果を最大化させられないからです。

コンサルティングのプロジェクトは、2、3カ月程度の短期集中型のものが多いため、仕事の遅さは即致命傷となります。顧客からの信用も失ってしまいます。そのため、他業種に比べてもスピード感を求められる仕事といえます。

ダーツが3本センターに命中している
写真=iStock.com/spukkato
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だから「IOK高速サイクル」をマックスで回していかなければならないのですが、そのとき大切なのは、「余計なこと、今やらなくていいことをやらない」ことに尽きます。最も大事なことにフォーカスして、ささいなことは切り捨てる覚悟を持つことが大切です。

例えば、新商品や新規事業をコンサルティングする場合、クライアントから現状の課題や目標をヒアリングし、「誰に」「どのような手法で」「どう伝えるか」の戦略を練っていきます。このとき、テレビやラジオ、新聞や雑誌、ウェブメディアやSNS、イベント開催や記者会見、書籍出版などさまざまな手法が考えられます。

こうした際、新人が陥りがちなのが、ゴールイメージやターゲットを絞り切れず、ノーフォーカスの状態でインプット(情報収集)してしまうことです。加えて完璧主義の人は、あらゆるメディアの情報収集に時間を費やし、悲劇的なタイムロスをしてしまうことになります。