流行っているものに乗りたくない

【原田】一度使ったきりっていう人の意見も聞きたいな。どうして普段の生活の中では使わないの?

【國武】知らない人の話をわざわざ生で聞きたいっていう気持ちがわかりません。思想の話題なら本を読めばいいし、話を聞きたければインスタライブやラジオもあるし、好きな起業家の発信を追いかけるのもTwitterで十分だし。私の場合、「皆がやるならやりたくない」っていうもともとの性格もありますけど(笑)。

流行っているのものに乗りたくない派の加藤くんは、『鬼滅の刃』を読んだのもブーム終盤だった。

【加藤】僕も同じで、流行っているものには乗りたくないタイプ。そもそも友達がいないので、なかなかClubhouseに入れなくて、原田さんに招待されてやっと入った感じなんですよ。あと、オンタイムでしか聞けないっていう時間的な束縛があるところも苦手。それならいつでも聞けるYouTubeのほうがいいです。

 

「初めから定着しないと直感した」ワケ

【坂後】私は、この流行は一時で終わるだろうから、それなら無理に使おうとしなくてもいいかなって思いました。招待制は珍しいけど、インスタほど私たちの日常には定着しないだろうなって。それに、仕組みも好きになれないです。しゃべったことがそのままダダ漏れになるのも、自分の友達の中で互いに知らない人同士がつながるのも嫌。自分の交友関係が皆に知られちゃうのって、プライバシーの観点で怖いです。

【矢追】Clubhouseが定着しないだろうっていうのは、僕も何回か使ってみて思いました。ルームをつくるだけでも、テーマを決めて友達と予定を合わせてっていう手間がかかるから、面倒くさくて何回もやる気になれないですよね。インスタは好きな時に発信できるのに。

【鈴木】それもあるし、私の周りだとClubhouseは意識の高い子だけがやっている印象です。友達とも「意識高い系と大人がやってるだけだよね」って話しています。

【國武】日本で流行り始めた頃、海外の人たちが「偏見を感じる話題が多い」「集まるのは意識高い系の人ばかり」って言っているのを目にして、今もそういうSNSなんだという印象を持っています。

【加藤】僕の印象だと、Clubhouseはカースト上位層のものって感じです。友達や知り合いの招待がないと入れないから、陽キャ(陽気なキャラクター)しか参加できない。それで、招待されない僕みたいな陰キャ(陰気なキャラクター)の間では、本物からの逃げ場として「Crabhouse」が流行りました。本物のほうの使い方が分からなかった人がつくったゲームで、内容はルームの中にカニが出てきて時々しゃべるだけ(笑)。でも、本物と同じようにiOSユーザーだけが使えて、かつ皆が知らない無名のゲームだから、いち早くダウンロードすることで優越感を覚える陰キャが多かったみたいです。