1.真剣に聞いているフリ作戦

まずは、人の話を聞く際の基本的な態度からいきましょう。

「真剣に聞いている」という建前を使うと、相手にばれずに、威圧「感」をまとうことができます。

ポイントは次の3つです。①口は閉じ、②目つきは鋭く、③小さくうなずきながら、真剣な表情で相手の話に耳を傾ける。想像してみると「怖い表情」が浮かぶと思いますが、あなたが相手を威圧しているとはみられません。

確かに相手は、あなたからの威圧感を感じ、話しづらくなるかもしれませんが、それはそもそも、あなたがその人の話を真剣に聞いてるからこその、その雰囲気(という建前)なので、相手はあなたの威圧感に圧倒されても、その姿勢を止めろとは言えないのです。

なぜなら、それを言ったら、あなたは「え? 真剣に聞くのがダメってこと?」となってしまうから。

そのように仕向けるコツは、③の「小さくうなずく」で「ちゃんと話を聞いていますよ」というサインを送ることです。そうすることで、全体の印象として、「真剣に耳を傾けるあまり、威圧的な表情と雰囲気になってしまっているだけの人」という印象になるので、相手はあなたを責めることができないのです。

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うなずく合間に表情の変化を入れてみよう

応用編として、うなずく合間に「ん?」という顔を入れるのもいいでしょう。よりリアルに「真剣に聞いてる」風が演出されます。

こういう態度で話を聞かれると、相手は、気軽に話しかけにくくなるのです。

そうすると相手は、たとえば、自分の話を聞かせたいだけだった場合は早々に切り上げ、面倒なことを押し付けようとしていた場合は「ま、いいか……」と引き下がる、という具合に諦めざるをえなくなります。

そうなったらあなたは、多くを語らず、口を閉じたままニコッと微笑んで立ち去ればいいのです。相手は「威圧されていたわけではないよな……」と頭では思いながら、心の底では威圧感を感じます。

このように、相手の反感を招くことなく、何となく相手をやりづらい気持ちにさせて勝手に引かせてしまう。それが、この「真剣に聞いている」風に耳を傾ける術の効能です。