次に、所得税収等対GDP比を見てみると、24位であり、かなり下位の方です(図表2)。なお、デンマークが突出していますが、これは、同国が社会保障を全額税金で負担している影響と思われます。社会保険料を取らない分、所得税が高くなるのでしょう。
最後に消費税を見てみましょう。なお、消費税は海外では付加価値税と呼ばれていますが、日本と仕組みは同じです。これを見ると、日本は31位の4.2%であり、極めて低いことが分かります(図表3)。1位のハンガリーは9.6%ですから、日本はその2分の1も消費税を取っていないことになります。
最後に、基幹3税収対GDP比を見てみましょう(図表4)。日本はなんと36カ国中29位です。受け入れがたいかもしれませんが、事実です。どうしてこんなに低いのかと言えば、先ほど見たとおり、所得税と消費税が低すぎるからです。
高水準の社会保障を受けている自覚はあるか
では、支出の方はどうでしょうか。OECDのデータに戻り、社会支出対GDP比を見てみましょう。なお、社会支出というのはおおむね社会保障費のことを指しています(図表5)。
これを見ると日本は意外と上の方にいます。15位です。収入の方を見ると、日本は法人税収対GDP比以外は、全てOECD平均を下回っており、順位も下位ですが、支出の方を見ると、OECD平均より上であり、順位も上なのです。つまり、支出と負担のレベルが全然合っていません。「低負担・中福祉」と言えるでしょう。そして、その支出と負担のギャップを借金で埋め合わせしているのです。