頑張ってる感が出るくらいなら、加工無しのほうがいい

【高杉】頑張りすぎて変な加工になるよりは、無加工のほうが、違和感がなくていいと思います。目が不自然に大きかったり色がおかしかったりするのってちょっとダサいと思う。

【工藤】同感です。フィルターを使いまくった写真を見ると「わっ頑張ってる!」って引いちゃう。本物よりよく見せたいのかな、若づくりしたいのかなって。むしろ飾らないままのほうが好感を持てます。

【斎藤】僕も、無理に加工するぐらいなら、まったくしない写真のほうが好きです。機械っぽくないので安心して見られますね。

自撮りを載せるなら「免罪符」が必要な時代

【原田】一方で、若者の間では思い切った加工も人気だよね。日本では、自分の写真をピクサーの登場人物風に加工できるアプリ「ToonMe(トゥーンミー)」がはやっているし、中国の若者には、韓国や日本のテレビ番組に出たように加工できる「番組風加工」というアプリがはやっているみたいだね。

【安田】女子の立場から言うと、「自撮りを上げる=自分大好きな子」って見られるのが気になるんですよ。自撮りをわざわざ発信したがる、共有したがるってことは自己顕示欲が強い子なんだなって思われるのがイヤ。だから、かわいい自分を見せようとするんじゃなくて、エンタメとして見せるぐらいがちょうどいいんです。これならいやらしくないよねっていう「自撮り免罪符」が必要なのかも。ToonMeは、そこがよくてはやっているんだと思います。

編集部員がToonMeで加工にトライ。イラストのテイストはさまざま。アプリダウンロードはtoonme.comから。

【高杉】海外の人はSNSに自撮りが載っていても抵抗がないみたいだけど、日本ではやっぱりちょっと引かれますよね。自己主張が強いと思われるから。だから、「引かれない範囲で自撮りを載せたい」っていう子がよく使っている気がします。

【原田】なるほど。自撮りだけでアピールしようとする人は、若者の間ではもう好感が持たれなくなっているわけか。これは僕たちの世代も知っておいたほうがいいかもしれないな。