実体経済と株価の動きは異なることが多い

筆者が個人投資家に話を聞いたところ、再び株価が下落するのが怖くて買えなかった、という意見が圧倒的に多かったです。

つまり、コロナショックによる株価急落後、多少株価が反発したとしても再び株価が下げに転じると思っていたのです。

確かにニュースを見れば、「米国では世界恐慌を超える失業者数」「航空会社が相次いで破たん」「飲食店の閉店続出」「新型コロナウイルスの感染第2波は必ず来る」など、足元の景気が最悪で今後の見通しも明るくないと強く感じてしまいます。

そのこと自体は間違っていないのですが、株式投資をするのであれば、足元の実体経済と株価の動きは異なることが多いという点は絶対に理解しておかなければなりません。ここが理解できないと、特にバブルのような大きな上昇相場に乗ることができなくなります。

ポイントは「株価についていく」こと

(3)の株を買うことができず上昇相場に乗れていない人は、実体経済の悪さを見て、株価が大きく上昇することはあり得ない、と思ってしまったため、株を買うことができなかったと思います。

これを避けるには、純粋に「株価の動きについていく」ことが必要です。

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確かに、今の実体経済と株価の動きは一致していません。しかし世界各国の追加的金融緩和により、バブル相場が生じる素地ができていたのも事実。

となれば、たとえ足元の景気が最悪で今後の見通しも不透明であったとしても、株価が底打ちして上昇を始めたならば、その動きに逆らわずについていくべきです。

確かに筆者も二番底や底割れを強く懸念していましたので、全力でとはいきませんでしたが、コロナショック後の株価上昇にそれなりに乗ることができました。それは、足元の景気が最悪でも株価が上昇トレンドになったら買い、上昇トレンドが続く限り保有する、ということを淡々と実践しているからです。

もし株価の動きに素直に従い、行動できていたならば上記の(1)から(4)のうち、おのずと(1)の順調に上昇相場に乗れていることにつながるはずです。

(2)の安いところで買えたがもう売ってしまったというのは、買うこと自体は成功でしたが、早めに売ってしまったわけですから、上昇トレンドが続く限り持ち続ければ解決できます。(4)の逆に空売りをしていて損失が膨らんでいるのは、株価の動きに完全に逆らっているわけですから、そうした行動を避け、株価の動きに従って動くようにすれば解決できます。

追加的金融緩和
新型コロナウイルス感染症の蔓延による自国経済の落ち込みを食い止めるべく、世界各国の中央銀行は「政策金利」(今回は短期金利を0%やマイナスにする「ゼロ金利」「マイナス金利」政策)を取ってお金を借りやすくしたり、直接、市場で国債などを購入することで、市中に大量の資金を供給する「量的金融緩和策」を進めています。