リビングでニュースを見ながら、親が子にどんな話をしているか

心情語以外でも、ニュースを題材に、親子で想像してみることでも語彙は増やせます。そのときに、親は意識して、日常ではなかなか使わない慣用句や難しい熟語を入れてみてください。たとえば国際的に活躍しているスポーツ選手の子供時代やその家族のことを想像してみるのです。そして、「親御さんはさぞ鼻が高いでしょうね」「夢に向かって一心不乱にがんばってきたのでしょうね」などと使ってみる。

『プレジデントFamily 2021年冬号』(プレジデント社)

子供が話す言葉を、大人の言葉に変換するのも手です。「◯◯ちゃんって、恥ずかしがり屋で、声が小さいの」という発言に、「はにかみやさんなのね」と返してみましょう。これは、わが家でも2人の娘によくしていました。

子供は、手に入れた語彙を使ってみたくなるものですが、はじめのうちは使い方を間違ったり、意味を取り違えたりすることがあります。そんなとき、「あら、そんな言葉、よく知っているわね」と、まずは褒めてください。

子供の自尊心をくすぐることで、難しい言葉を使うことへの意欲が高まりますよ。

【お家で実践! 親の声かけLesson1~3】

▼Lesson1)親の会話に慣用句を入れよう!

●今日は朝から目が回るような忙しさだった
●◯◯さんは、今日もお隣の家の前まで掃き掃除をしていたよ。頭が下がる
●あのコメンテーターは歯に衣着せぬ物言いが売りなのだろうけど、反感も買っているでしょうね
雨後のたけのこみたいにタピオカドリンクのお店ができたけれど、早々に閉店したところも多いみたい
●藤井聡太二冠の勝負強さには、ベテラン棋士もかぶとを脱いだそうだよ

▼Lesson2)子供の話を別の語彙で言い換えよう!

子:組分けテストで女子がみんな別のクラスに移ったから、私以外、全員男子だよ

親:あら、女子はあなただけなの。紅一点ってわけね

子:後ろの子がちょっかいを出してきたのに、私が先生に怒られた。ひどくない?

親:それは理不尽だね。そういうときは釈明してもいいんじゃない?

子:◯◯ちゃんとは気が合うんだよね。くだらないおしゃべりをするのがすごく楽しい

親:気の置けない友達と他愛たわいない話をするのはストレス解消になるね