地方議会も交えて取り組む必要性

【白河】今後はどのように議論が進んでいくのでしょうか。また私たちにできることがあるとすると、どんなことでしょうか。

【橋本】今後はこの5次計画で起こった議論の場を、どこで続けていくかということになります。これで終わりとするのではなく、党内でも議論を続けていくべきだと言っていただいているので、これからさらに踏み込んでいきたいなと思います。

撮影=遠藤素子

また、みなさんが応援してくださるのなら、ぜひお住いの地域で声を上げてください。まだまだ地方議会では議論されていませんので、今後は全国各地で選択的夫婦別姓の必要性を訴えている方々に、地方の議会の先生方が理解できる活動をしていただけるとありがたいなと思います。やはりこれは中央の国会だけでなく、地方議会も交えて取り組まなければ全国的な問題になりませんから。

【白河】今回の議論ではユースの方々も自分の声が届く手ごたえがあったようです。FAXのほうが、効果があると聞いて生まれて初めてFAXを使って自民党に意見を送ったという大学生もいます。今後も広く意見を取り入れながら、議論を進めていただけたらと思います。

待ちに待っている事実婚の人たちがいる

【橋本】この選択的夫婦別姓を、待ちに待っている事実婚の方も多いんです。年齢的に鬼気迫っている方もいらっしゃるんです。旧姓使用でなんとかやれるんじゃないかという問題はもう通り越していますから、そういった困難な問題に直面している方々を救わなければ、多様性をしっかりと受け入れる日本にはなりません。

日本は世界のトップランナーになれるポテンシャルが高いのにもったいないことです。世界経済フォーラムが公表している「ジェンダー・ギャップ指数(GGI)」が153カ国中121位もそうですが、医療も教育も行き届いているのに、これほど女性が活躍できない国も珍しいですよね。経済分野、そして特にこの政治分野。こういった問題を一つひとつ解決していくと、政治分野に参画したいという女性も増えてくると思うのです。

政治というのは遠いものではなく、すごく身近なものです。有権者の51.7%が女性であることを考えると、当たり前に女性の政治家は半分いていいわけですよね。クオータ制をつくることも重要ですが、そうしなくても当たり前に女性が政治参画できる環境をつくらなければ、若い人にとっては、いつまでも政治は遠いもので、誰かがやってくれるもの、自分たちは興味がないというふうになってしまいます。そうではなく、若い人たちは声をどんどんあげて、自分たちが起こしたそのムーブメントに政治が動かされていくという手ごたえをぜひ感じてほしいですね。

【白河】本当にその通りですね。政治に興味を持ってくれる若い人たちの声を、これからもぜひ取り入れてください。

(構成=池田純子)
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