大いに盛り上がった世論

【白河】今回は世論も盛り上がり、若者の声もたくさん届きました。大臣をはじめ内閣府の皆さんの5次計画がパワフルだったので、慎重派・反対派の方にとっては、より脅威だったのかもしれませんね。

【橋本】今回は今までに比べると、私が男女共同参画の担当になって、相当な勢いで走り出そうとしたので、自民党内もびっくりしたのかもしれませんね。

橋本聖子さん
撮影=遠藤素子

【白河】私も拝見していて、本当にパワフルなリーダーシップでした。調整役である内閣府が、各省庁に乗り込んで進めていくパワフルな内閣府を目指すとおっしゃいました。そこまで踏み込む原動力は何でしょう?

【橋本】慎重派の方のご意見を受け止めるのは当然ですが、この少子化という問題を抱えている日本で、私はどうしても、若い人たちの未来は、自らの手で作らせてあげたいと思っています。今、全国的に一人っ子の家庭が多く、氏を絶やしたくない、継承したいと、どちらの一人っ子も家族を大切に思っています。だからこそ結婚できないという現状に悩むわけですよね。そこを解消するには、別氏を選択できるようにすることでまず家族にしてあげないと。慎重派の方の中には、氏がいっしょでなければ、家族の絆が形成されないという意見もありますが、別氏を選択できなければ、その家族にすらなれない人たちがいるのです。

当然、旧姓使用拡大を推進するのも大事ですが、旧姓使用を拡大することで問題が必ずしも全て解決するわけではないと考えます。その理由の一つとして、国外では旧姓の通称使用が理解されないことがあります。たとえば、旅券の旧姓併記は、旅券の所持人が渡航先国の出入国管理当局から説明を求められたりする等、渡航や外国での生活等において支障を来すことがあります。また、改姓により論文などの研究実績のキャリアが引き継がれないなど、結果的に仕事を続けていくうえでも困難な状況に陥るのではないでしょうか。

若手議員に賛成者多数

【白河】今回、女性の経営層からも声が上がっています。経営者になると登記のこともあるので問題意識が高いのです。やはり女性活躍という意味でも、それから自分の家族、自分の育った家の姓を大切にしたいという方にとっても有益なものであるということですよね。私も農村などで行政と縁結びボランティアをやっている人から「縁結びの限界」を聞いています。長男長女ばかりで縁組もできないと。今回若手議員の方はけっこう賛成が多かったのでしょうか?

【橋本】多かったです。そこは手ごたえを感じたところでもありました。ただ、最終的には党としてどう捉えていくかということになりますので。