手軽さを実現するための工夫

実はサービス開始当初から、藁谷さんたちには「消費者、とくに「クルマ離れ」を指摘される若者たちが、クルマをもっと“簡単で手軽に”利用できる世の中にしたい」との熱い思いがありました。

菅田将暉さん、二階堂ふみさん、矢本悠馬さんが出演するKINTO のテレビCM より(画像提供=KINTO)

もともと「KINTO」のネーミングは、理想の車を「筋斗雲」、すなわち『西遊記』の主人公・孫悟空が空を飛ぶ際に使う、架空の雲に例えたことに由来します。

筋斗雲は、孫悟空が「乗りたい」と思ったときにすぐ現れ、自由自在に目的地まで運んでくれる。同じように、「必要な時にすぐに現れ、思いのままに移動できる便利なツールとして、クルマを手軽に利用してほしい」との願いが、KINTOの名に込められているのです。

KINTOが、とくに若者を意識して打ち出したのが、「コミコミ月々定額払い」をはじめとした画期的なサービス。

すなわち、毎月数万円程度の一定額を支払えば、頭金ゼロで自動車税やメンテナンス費用、さらに任意保険料まで付いてくる(別途契約して支払わなくていい)というものです。

「まず若者の場合、初めてクルマを買うケースが圧倒的で、そうなると以前のクルマの『下取り』で得る原資が発生しない。また自動車保険の保険料も、一般には若い世代のほうが高額なので、初期段階でまとまった金額が必要になる。逆にこの部分を軽減できれば、クルマ離れにも一定程度、歯止めがかけられるだろうと考えました」

「買いやすさ」へのこだわり

金銭面だけではありません。KINTOがもう一つ、「若者のクルマ離れ」の一因と考えたのが、クルマの「買いにくさ」。

かつてのバブル世代の若者のように、男性の多くが「クルマ好き」だった時代は、ディーラーに行くだけで「あの新車に試乗できる!」など胸躍ったことでしょう。でも昔から最大の販路であるカーディーラー(販売店)には、そもそもクルマを持っていない人や若者は「行きづらい」と感じやすい。

「そのうえ、いまの若者は普段の買い物をECで済ませるケースが増えたので、『商談』がイメージしづらいようです。クルマ本体はこれだけ技術革新が進んだのに、売り方のほうは、実は昔とさほど変わらない形態で、KINTOでは買いやすさも魅力にしたいと考えました」

20代は75%がWEB経由の契約、納車まで店舗に行く必要なし

そこで取り入れたのが、ウェブのみで申込から契約段階までが完了するというシステム。すなわち、ウェブ上で「これ」と思うクルマの車種やオプション、販売店などを選び、利用規約に同意して必要事項を入力・送信すれば、あとは審査結果を待つのみ。

そこから先も通常、納車の連絡が来るまでは、販売店に出向く必要がありません。

20年12月現在、申込者全体の約6割が「ウェブ経由」だと藁谷さん。とくに20代では、なんとオンライン比率が約75%にも達するとのこと。

こうしたウェブで手続きの大半が行える点も、コロナ禍での大きな魅力でしょう。