デジタル機器の健康への影響が現れやすいのは睡眠と目

これまでもデジタル機器の健康への影響は指摘されてきた。中でも特に影響が現れやすいのが睡眠と目だ。

睡眠障害を研究している精神科医の間では、スマホやパソコンによる睡眠障害が中高生に増加しており、学業や日常生活に支障をきたし、治療が必要なケースもあるという。

その代表的なものが「既日リズム障害」だ。睡眠障害の一つで、朝起きて夜眠るという自然な睡眠リズムが乱れて、朝、無理に起きると頭痛や眠気、倦怠感などの身体的な不調が出るというもの。そのため、不登校や遅刻、欠勤などを繰り返し、普通の生活ができなくなってしまう。

その原因の一つとされているのが、液晶ディスプレーから出ている青色光(ブルーライト)であるといわれている。この光が睡眠に関係するホルモン、メラトニンの分泌に悪影響を与えるという研究が数多く出されている。

夜間にブルーライトを多く浴びると、睡眠リズムが狂いやすくなり、睡眠障害やうつを引き起こしやすくなるというのだ。

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子どもや若者に「スマホ斜視」が増えているという研究結果

ブルーライトは目にも悪影響を与えるという説もある。まだ十分なエビデンス(科学的根拠)はないが、紫外線に近い波長のため、瞳孔に影響を与え眼精疲労などの一因となると考えられている。

ただし、これは夜間に長時間浴びた場合だ。昼間の太陽光にはブルーライトも含まれており、昼間浴びるのは問題ない。太陽光を浴びて外遊びすることはむしろ近視の予防にもなる。

デジタル機器が子どもや若者に与える目への影響を研究している、不二門ふじかどたかし大阪大学大学院特任教授によると、コロナ禍の影響で加速するデジタル機器の普及で、子どもたちの近視や目のトラブルが増加するという。

特に目の機能が発達中の児童への影響はより大きくなるそうだ。不二門特任教授らの研究では子どもや若者に「スマホ斜視」が増えているという。