伸び悩む米シェイクシャック、一方で日本では…

Forbesは、四半期でみれば既存店売上高が減少していることや、近隣に既存店のある新店が多くなっていることから、3月3日に「拡大戦略を続ける米シェイクシャックに警鐘? 既存店が伸び悩み」という記事を出しています。このため日本のシェイクシャックも一時期のブームが過ぎて客離れが進んでいるのではないか。そう感じて、外苑いちょう並木店と六本木店にランチタイムにそれぞれ訪れてみました。しかし結果は、どちらもほぼ満席状態でした。

筆者撮影

特に、フラッグショップである外苑いちょう並木店は、家族連れ、カップル、友人同士、シニアなど幅広い層の客層でにぎわっていました。

私はテラス席に座ったのですが、隣席の女性2人組は「ここは本当に最高だね! 本当に気持ちいい」と言いながら、新商品のマンダリンシソレモネードを片手にインスタグラム用の写真を取っていました。

向い側には、おそらく60代であろうシニア層の女性2人組がベレー帽を被り、オシャレな秋の装いでシェイクシャックのバーガーを食していました。斜め横には、家族連れのファミリーが子供を囲んで期間限定の新商品旬のきのことビーフのうま味が詰まった「オータムマイタケバーガー」とフライポテトをほうばっていました。

外苑いちょう並木店は一つひとつのテーブルが大きく、テラス席が充実していることから、安心して過ごせるレイアウトとなっており、ファミリー層の多さが印象に残りました。そのにぎわいは、コロナ禍であることを一瞬忘れてしまうほどです。街角調査では客離れを感じることはありませんでした。

筆者撮影

日本と米国では店舗展開戦略に違いがある

米シェイクシャックには1つの懸念点があります。先述のForbesの記事では、店舗を増やしすぎた可能性に言及しています。「シェイクシャックの店舗がすでに米国の主要都市すべてに少なくとも1店舗はある」としたうえで、「郊外の多くや、有名大学周辺の地区には複数開業」していることで、“どこにでもある店”になってしまっているというのです。

一方、日本はどうでしょう。2015年に上陸してから、いまだ、12店舗の展開にとどまっています。これは、シェイクシャックのような“高級”ファストフードのブランド展開をしていく上では、店舗の数を増やし過ぎないのも戦略だと言えます。