割高、駐車場必須…サブスクの課題

自動車のサブスクリプション(期間定額制)サービスは台頭する。トヨタの「KINTO」に限らず、各社始まっているが、これまでは毎月の料金が高いと感じられたこと、駐車場が家になかった場合、借りなければいけないことなどが普及の妨げになっていた。サブスクリプションサービスよりも、ウーバーのようなライドシェアを利用した方が経済的と感じられたからだ。

だが、これも新型コロナウイルスの蔓延が人々の考え方を変えた。前述のライドシェアはもちろん、タクシーでさえ、利用する人は減少している。

そうなると、自分の車を持つことに回帰するのだが、その際、サブスクリプションサービスも考えのうちに入ってくる。料金がさらに安くなり、かつ、利便性が向上すればサブスクリプションサービスの契約者は増えるだろう。

増やすためにカイゼンすることは2つある。

ひとつはバレーサービスだ。ホテルやショッピングモールなどへ車に乗っていくと、「バレーパーキング」というサービスがある。ホテルの入り口に車を着けると、バレーパーキングの担当者が駐車場まで車を持っていってくれる。かつ、出る時は車を持ってきてくれる。

サブスクリプションでもバレーパーキングを採用するといいのではないか。契約者が自宅にいたら、バレーパーキングの担当者が車を持ってきてくれる。帰りはまた家までピックアップに来てくれる。つまり、契約者が乗りたくなったら、販売店の人間が自宅まで車を運んできてくれるわけだ。車はつねに販売店にあるわけだから、駐車場の料金はかからないし、整備も済ませてもらえる。ただし、サービス料は払う。駐車場の料金よりもやや安くすればいい。

「そこまでやるのか」と思う人もいるだろう。しかし、そこまでやらなければ利用者は増えない。

写真=iStock.com/SolStock
※写真はイメージです

自動運転の時代までにサービスを磨く

2番目は自社の車だけを利用させようと思わないことだ。

トヨタであれば当面はスバルやスズキの車を利用することもOKするべきだ。いずれはベンツやポルシェも乗れるようにする。たとえば、北海道や東北のドライバーには夏はレクサス、冬はスバルの4輪駆動車を借りたいと思う人がいるだろう。ニーズはある。