「褒めるためのC」でモチベーションを維持

勉強を終えたら、終わった項目に線を引くなどし、やったことを“見える化”しておこう。親からすれば、このくらいの量はできて当たり前と思うかもしれないが、子供は子供なりに頑張っているのだ。“見える化”で、「これだけやったんだ!」という達成感を得ることができる。

さらにモチベーションを維持するために必要なのが、「褒めるためのC」だ。予定通りにちゃんとやっていれば、それだけで大きな褒めポイントになる。

もしできていないところがあれば、「もっと良くするにはどうしたらいいと思う?」と子供に聞いてみよう。その時に、責めるような雰囲気になってはいけない。優しい表情で聞いてあげてほしい。そして、子供自身に考えさせるのだ。

「この問題、どうして間違ってしまったのだろう?」
「うーん、数字を雑に書いちゃって、読み間違えちゃったんだよね……」
「ちゃんとキレイに数字が書けていれば、解けたと思う?」
「うん、絶対に解けた」
「じゃあ、次から気をつけような」
「うん!」

もし次に丁寧に数字を書いているのが分かれば、大きな褒めポイントになる。そうやって、少しでも改善が見られればいい。大事なのは、子供自身に気づかせることだ。

自分でプランを立てると子供はやる気を出す

PDCAサイクルを回すのに慣れてきたら、「P」は子供と一緒に考えてみてほしい。子供は誰でも親を喜ばせたいと思っている。だから、「今日の予定は自分で立ててみてごらん」と言えば、大抵の子供が張り切って多めに予定を入れる。さすがにこんなにムリだろうと思っても、まずはやらせてみてほしい。やりきれなければ、「やる気は分かるけれど、これはちょっと多すぎたな」と、一度褒めてから修正をする。

プランを考える時は、子供に自由裁量権を与えよう。だが、小学生の子供にすべてを任すのは難しい。そこで、親がある程度のプランを考えておく。その時に、「子供自身が決めた」という演出をすることがポイントだ。

例えばテスト前でちょっと多めに勉強させたい時は、「テスト前だから、これくらいはやらないとな」と言うのではなく、「さすがにこれはちょっと多いな。いくらお前でも大変だろう」と言うと、子供は自分をそんなに下に見てほしくないという思いから闘争心を燃やし、「大丈夫! このくらいできるよ!」と挑戦しようとする。もしできたら、たくさん褒めてあげよう。褒められると、子供はがぜん張り切る。そうやって、子供をうまく乗せていくのだ。

子供の成績を上げたいなら、子供に気持ちよく勉強をさせることだ。子供はノリノリの状態になると、大人の想像をはるかに超えて伸びていく。

受験勉強にPDCAを取り入れるのなら、「子供に自由裁量権を与えること」と「褒めて気持ちを乗せること」を忘れてはいけない。正しいやり方でPDCAを回していけば、子供の成績はグングン上がっていくだろう。何より自分で予定を立て実行するという行動は、子供の自立にもつながる。中学受験には、そんなメリットもある。

(構成=石渡真由美)
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