韓国の現状は日本にとってひとごとではない

今後、韓国の経済格差が拡大するだけでなく、その固定化が進む恐れがある。資本主義経済である以上、競争原理によってある程度の格差が生じることは避けられない。重要なことは、格差の固定化を解消することだ。そのために政府は規制緩和などを進め、より公平に競争が進み、効率的に生産要素が再分配される環境を整備しなければならない。

それとは逆に、文大統領は規制を強化し、企業の経営を圧迫してしまった。加えて、韓国は半導体の製造技術や経済運営に必要な資金をわが国や米国に依存してきた。言い換えれば、韓国は自力で競争力ある独自の技術を生み出し、無から有を生み出すという意味での製造業を育めていないといえる。無から有を生み出すことができなければ、雇用を創出することは難しい。雇用が増えなければ、所得や資産を持つ人と、持たざる人の格差はどうしても拡大する。

また、韓国経済を見渡すと、半導体に代わる成長のけん引役が見当たらない。半導体大手サムスン電子1社の売り上げはGDPの12%に達し、同社の業績が韓国経済に無視できない影響を与える。現在、半導体や一部IT関連以外の韓国産業界の業況はかなり厳しい。世界が新型コロナウイルスに対応しつつ経済を運営しなければならないと考えた場合、サムスン電子に対する韓国経済の依存度は高まるだろう。

そう考えると、若年層を中心に韓国の所得・雇用環境は一段と厳しさを増し、経済格差がこれまで以上に固定化してしまう恐れがある。労働組合などを支持基盤とする文大統領が構造改革を進めることは一段と困難になり、韓国経済が長期の停滞に陥る展開は軽視できない。

韓国が直面する状況はわが国にとってひとごとではない。コロナショックを境に、わが国がIT後進国であることがはっきりしてしまった。わが国にはサムスン電子に比肩する半導体メーカーが見当たらない。

わが国経済が持続的な成長を実現するためには、政府が大胆な発想をもって規制緩和などの構造改革を進め、新しい独自の技術が生み出される環境を整備することが不可欠だ。

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