「2名」と記載されたレシートがきっかけで…

2 レシートやカードの明細

夫のスーツのポケットやカバンからホテルや旅館のレシートが出てきて不貞行為が判明するというパターンもあります。自宅に送られてきた夫名義のクレジットカードの利用明細書を妻が開封したところ、見知らぬホテルの利用履歴が載っていたりしたことがきっかけという場合も多いです。

家族旅行や会社の出張等がなければ、普通はホテルや旅館に泊まることはないので、ホテルや旅館に宿泊しているということは、不貞行為を疑うきっかけとなり得ます。

また、レシートに記載されている利用人数も不倫を疑うきっかけになります。例えば、レストランのレシートに利用人数が「2名」と記載されていれば、夫が誰かと食事したことが分かります。そのレストランがカップルが行くようなおしゃれなレストランであれば、夫が配偶者以外の女性と食事した可能性が高いので、夫の不倫を疑うきっかけとなり得ます。

3 普段とは異なる生活スタイル(仕事の帰りが遅い、おしゃれに気を使う等)

夫あるいは妻が普段とは異なる生活スタイルを送るようになったということも不倫が判明するきっかけとなり得ます。

例えば、普段は夕食前には必ず帰宅していた夫が、頻繁に外で夕食を食べるようになったり、休日もよく出掛けるようになったということは、夫の不貞を疑うきっかけになり得ます。

また、おしゃれには全く気を使っていなかった妻が、急におしゃれに気を使うようになったということがあれば、妻の不貞を疑うきっかけになり得ます。

不貞を疑うきっかけさえあれば、調査会社に依頼するなどして、容易に配偶者の不貞の現場を押さえることが可能です。

独身だと嘘をつくと慰謝料を払う相手が増える

4 不貞相手からの連絡

夫あるいは妻の不貞相手から配偶者に連絡が行くことにより、不貞行為が判明するというケースもたまにあります。

不貞相手との関係が円満に解消されるようなケースでは、不貞相手が配偶者に連絡するということはあまりありません。しかし、夫あるいは妻が不貞相手との交際中、不貞相手に対して、「自らは独身である」とか「近いうちに配偶者とは別れる予定である」と伝えていたが、実際にはそのような事実はなかった場合は別です。そのような、夫あるいは妻が嘘をついて不貞相手と交際していたようなケースでは、嘘がバレることにより不貞相手が逆上し、自らの不貞行為を告白して不貞が判明するというケースが多いです。

なお、不貞相手が夫あるいは妻が既婚者であることを知らず、知らなかったことについて過失もなかった場合には、不貞行為について故意または過失が存在しないということになります。そのため、不貞相手は慰謝料の支払義務を負いません。

一方、自らが未婚であると虚偽の事実を伝えたうえで、不貞相手と交際していた夫あるいは妻は、配偶者に対して不貞行為に基づく慰謝料の支払義務を負うのみならず、不貞相手に対しても、貞操権侵害に基づく慰謝料の支払義務を負うことにもなりますので注意が必要となります。