財閥だけが利益をとれる構造の問題点

日本には中小企業など知名度は低くても業績や雇用の安定度が高い企業が多いです。一方、韓国は、圧倒的な財閥構造となっており、中小企業が育っていない。実際、韓国政府が公表している賃金格差の資料では、大企業の正社員の賃金を100とした場合、中小企業の正規労働者の賃金はその約半分程度です。これは大企業の非正規労働者の賃金よりも低い水準です。

韓国財閥は、中小企業の製品を買いたたくことで利益を伸ばしてきた結果、韓国では全く、中小企業の成長が見込めない状態になっているのです。財閥だけが利益を得る構造から抜け出すことができずに、イノベーションが生まれる土壌が育たず、中小企業の労働条件は非常に厳しい。そのため、若者は就職先に選びたいとは思わないのです。

韓国の若者は財閥の企業や安定した公務員への就職希望者が多いですが、その就職先の枠がそもそも少ない。そこで、狭き門を勝ち得るために、繰り広げられているのが、学歴競争です。

恐怖心からくる学歴戦争社会の先に経済成長はない

大企業や、公務員に就職できなければ生活は安心したものにならないといった、“恐怖心から”くる「学び」の中からはイノベーションは生まれないでしょう。

学歴とは何でしょうか。社会に出た時に、組織のなかで、目上の人を重んじることができ、決まったことを、きっちり期限までに、高品質なパフォーマンスで継続的に発揮できる人間、そういった人材である可能性を、保証するのが学歴と考えます。組織人として都合良く使える人材を育てても、それだけの意味しか持てません。そこには、自由な発想を持ち、「世の中をより良く変えていく、サービスは何か?」など革新的で、イノベーションな発想など、生まれようがないのです。韓国の若者が逃れられない閉塞感。若い労働力が適正に配置されていない状態では、韓国経済の成長は難しいでしょう。

文政権は公約として「81万人の雇用創出」などの政策を掲げていました。文在寅政権における雇用政策の特徴は、公共部門における積極的な雇用創出を通じて民間部門の雇用創出を牽引しようとするものです。韓国には公共機関に対し一定の比率で若者を雇用することを義務付ける法律(青年雇用促進特別法)があり、一定の効果をだしているものの、社会全体でみると、雇用が増えたのは社会福祉産業であり、特に高齢層の雇用拡大が進んでいる事実があります。一方で、若者が就職する際の大きな受け皿である製造業ですが、ここでの雇用状況は改善されていない状態なのです。