「相手が『どうしたの?』と言ってきたら『ちょっと風邪気味で……』と説明します。意外にすんなり聞いてもらえるものです」。その場合、必要に応じて後日メールを入れたり、ランチタイムの食事会を設定してフォローする。やんわり対処しつつも、「無制限で付き合うつもりはない」という意思をにじませるのがポイントだろう。

もちろん、こうした対処法が通じない相手もいる。筆者はまだ会社員をしていた頃、田島氏が勧める咳き込みパフォーマンスの後に、内藤氏式の「さっさと帰る」を試みたこともあるが、「こんな調子なので今日はこれで失礼しま」の「ま」のタイミングで、体重80キロ超の元体育会系上司にむんずと腕を掴まれ、繁華街の雑踏の中をずるずる引きずられる結果に終わった。

気をつけなくてはならないのは、二次会の目的が「コミュニケーションの円滑化」ではなく、「経費を使った飲み食い」に置き換えられている場合だ。ちなみにこの上司は後年、金銭面のモラル欠如がエスカレートした結果、看過できないトラブルを起こして会社を辞めさせられた。

もし同種の相手に心当たりがあるならば、二次会云々を論じている場合ではない。巻き添えになる前に人間関係そのものを根本的に見直すことを、心からお勧めする。