「死んだんです! 配達はできません!」

動画サイトでは、事故直後と見られる動画もアップされていた。

浙江省温州市で、若い配達員がタンクローリーと衝突。救急車が駆けつけたが、救助の甲斐なく、その場で死亡した。配達員の母親と見られる家族が現場に駆けつけ、変わり果てた姿を見て泣き崩れてしまった。野次馬たちが見守るなか、配達員の携帯電話が鳴り、母親が出ると「まだ届かないんですか?」と客からの催促の電話だった。母親は「事故があって、配達できなくなりました」と伝えたが、電話は鳴りやまない。母親はとうとう感情を抑えられなくなり「死んだんです! 配達はできません!」と叫んだという。

上海市政府の発表によると、19年1〜6月の半年間で、宅配便やデリバリーによる事故は325件発生し、5人が死亡、324人が負傷した。企業ごとの割合を見てみると、餓了麼34.2%、美団33.5%、ネットスーパーの「盒馬鮮生(フーマーフレッシュ)」8.9%、宅配便の順豊3.4%、その他20%となっている。全体の3分2を大手2社が占めている計算だ。

1分1秒を惜しんで配達に励むのは、スタッフたちが金銭的に必ずしも裕福ではないことにも原因がありそうだ。

「急いでいるときは、逆走しないと間に合わない」

新民晩報によると、上海市内でキャッシュレス決済を悪用した盗難事件が発生した。

「19年11月、上海市内のレストランで働く女性のもとへ顔馴染みのフードデリバリースタッフが来店し、店内で休憩していた。スタッフは女性が目を離したスキに、テーブルの上に置いてあったスマホを操作し、知人の口座に3万元(約48万円)を送金。知人には『間違えて送金したから返金してほしい』と電話で伝え、3万元をだまし取った。

スタッフは金を騙し取ったあと、ネット上のギャンブルで、わずか10分程度で3万元を浪費。冷静になって自身の愚かさに気づき、自首した」

テレビ局・北京電視台がデリバリースタッフたちを取材したところ、「急いでいるときは、逆走しないと間に合わないし、赤信号を突破することもあります」「会社との契約書は特にありません」などと回答。事故が起きても十分な補償が得られないという。

こうした状況に対応すべく、警察ではドライバーに対してオンラインでの安全講習を行うなど、安全運転を心がける誓約書にサインさせるなどの対応を講じている。

日本でも都市部を中心に増え続けるフードデリバリーだが、安全運転でお願いしたい。

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