中国政府「対ウイルス戦の勝利が見えてきた」

ちなみに記事によれば、長年IOC委員を勤めた経験のある人物が「2021年の同じ時期に延期することは理論上可能だろう。米国のイベントと重なる可能性があるが、米国が異議を唱えなければ、協議の余地はある」と語っていたと記していている。

中国政府の報道によれば、中国国内では患者数の増加が制御されつつあり、ウイルスとの戦いには勝利が見えてきているという。

「中油網」では、開催延期による経済的損失を指摘する一方、強行実施をすれば最悪のシナリオが起こるとも指摘。

「7月までにウイルスの蔓延が収まらなかった場合、日本に世界各国からウイルスが持ち込まれ、状況が悪化する恐れがある」(中油網)

選手や観客にウイルス感染のリスクを背負わせてまで強行するとは考えにくいが、安倍首相は記者からの質問に対し、当初は開催時期について説明を避けた。こうしたなか、選手たちの声をもっと尊重すべきとの記事もあった。

日本政府の対応はどれものんびりし過ぎ

「延期によってIOCや日本政府が大きな損失を受けるのは間違いないが、“アスリートファースト”を掲げるのであれば、アスリートたちに投票してもらい、延期すべきか否かを決めたら良いのでは?」(新浪体育)

これまでの日本政府の対策については、“対応がのろい”との記事もあった。

「中国現代国際関係研究院の劉軍紅氏は、『新型コロナウイルスに対する日本政府の対応はどれものんびりし過ぎのように見えます。伝染病法や検疫法などの法律の枠組みのなかで行なっているためでしょう』と指摘している」(中国新聞週刊)

ただ、日本は中国政府のように独裁的な強権を発動できないという事情も説明されている。

「復旦大学日本研究センターの高蘭教授は、次のように語った。『安倍首相や厚生労働省が国民に対して要求する際は“お願い”、“希望する”という言葉を使います。日本は小さな政府で、各自治体の地方政府の権限が大きい。学校も公立と私立で管理者が異なり、複雑です』」(中国新聞週刊)