送り手の思い込みではなく顧客の好みや憧れに寄り添う
初期の読者はすでに20代前半となり、結婚・出産が始まっている。そう考えれば、早ければ10年後にはその子どもたちが『一期一会』を手に取ることになるだろう。
送り手の思い込みではなく顧客の好みや憧れに寄り添うことが重要だ――とはビジネスの世界では飽きるほど言われている。
小説版『一期一会』シリーズは「児童書の恋愛ものは『こういうもの』」「児童書の文章や挿絵、コラムの入れ方は『こういうもの』」という送り手の思い込みにとらわれず、徹底的に顧客の好みや憧れに寄り添うことで、当初の想定以上に長く愛されるものになった。
子ども向けの商品だからといって、ビジネスの原則は変わらない。そのことを象徴するケースではないだろうか。