どんな保険会社を利用するにせよ、まず、すでに備わっている公的な遺族年金、健康保険を調べてみるべきだ。サラリーマンは、会社の福利厚生制度も調べてみよう。死亡退職金や死亡弔慰金の制度があれば、その分、生命保険の金額は削減可能だ。

また、住居形態や妻の収入、貯蓄の有無や頼れる実家があるかどうかも必要な死亡保障額を左右する。万一のとき、自分の家はどうするのかを具体的に考えて保障額を計算してみよう。

そのうえで、ネット専業というだけで飛びつかずに、複数の保険会社を比較することが大切だ。ネット専業2社の保険料は確かに割安だが、年齢階層によってはオリックス生命や損保ジャパンDIY生命など他社のほうが安い場合もある。非営利の共済も掛け金が割安なので選択肢にいれたい。なにより、サラリーマンなら勤務先の団体保険を真っ先に検討するべきだろう。

とはいえ、保険は支払い要件を満たさなければ1円たりともお金はもらえず、何にでも使えるわけではない。貯蓄が増えれば、保障額は徐々に減らすことができ、日常のさまざまなリスクに備えられる。保険は貯蓄を妨げない程度に抑えるのが賢明だ。

※すべて雑誌掲載当時

(構成=早川幸子)