金正恩は「第2次朝鮮戦争」のシグナルを出している

第2次朝鮮戦争になる可能性は50%以上ではない。しかし、かなり大きな可能性があるということです。そのリスクは最近、劇的に上昇しました。

2017年の初めに北朝鮮は一連の実験を行い、その最後が2017年11月だったと思います。一方でトランプ大統領は攻撃すると脅しをかけ、互いにやりとりがあり、その時のいろいろなレトリックを覚えている人も多いと思います。

この半年で北朝鮮の金正恩氏が言っているのは、合意によってアメリカと国連が北朝鮮にかけている制裁緩和がなければ、2019年末までに新しいフェーズに入るということです。金正恩氏はこの先何をするつもりかということについてシグナルを出しています。

もしそれがICBM実験も含むのであれば、どうなるか。彼が前回、実験をやめる前に、トランプ大統領の方では北朝鮮のミサイル発射台を攻撃して実験をやめさせると言ったのです。米国防総省はすぐにそれをできる能力を持っています。それでは、北朝鮮は一体何をするのか。この疑問にあまり想像力はいりません。つまり、第2次朝鮮戦争は彼らにとってのオプションになると思います。

中国エリートは香港人を「悪ガキ」と呼んでいる

――話題はアジアでもう1つの不安定要因である香港情勢に及ぶ。香港では市民によるデモが長期化し、一触即発の状況が続く。

西洋化された香港は、脆弱性があると思います。欧米の信念、アメリカの独立宣言が言っているように、全ての人間は生命、生存、幸福の追求という普遍的な権利を持っています。それは人間にとって自然のことであると書いています。多くの香港の人たちはそれを信じていると思います。つまり、彼らもイギリスの香港返還の合意の中に入っているような、こういう権利を享受したいと当然、思っています。

今年、私は中国に5回ぐらい行ったと思うのですが、そこで中国の見解についていろいろな世論を見てきました。しかし、香港のデモに共感する人たちはほとんどいないようでした。中国の他の都市でもそのようなことが起こってしまうといけません。

そして、ほとんどの世論調査によると、エリートの人たちは香港人のことをbrats(悪ガキたち)と呼んでいます。つまり、若い人たちがあまりにも特別な場所にいて、それに慣れてしまっていて、そういう意味で中国国内の人は香港人に対してあまり共感は持っていないようです。同情もしていないようです。