「迷いたくない」気持ちに刺さったビジネス
サブスクリプションサービスは、当初、①のようなサービスからはじまりました。しかしいまや動画、音楽配信、高級ブランドバッグから衣類、おもちゃ、おむつ、家具、家電、飲食店、食材、コンタクトレンズ、クルマ、バイクなどなど、ありとあらゆるものを扱うサービスが存在します。
そこにはモノは所有するのではなく一時利用をしたり、他人と共有したりするようになったという背景があるように思います。むかしは多くのモノをもつ人が金持ちの象徴でした。でもいまは収納する場所もないし、使いたいときだけあればいいというながれに変わり、多くの人がモノを買わなくなったのです。
サブスクリプションサービスの流行は、私なりに言うと、消費者の「迷いたくない」「決められない」という悩みの解決をはかった点にその勝因があったように思います。「迷うのはやめて、ぜんぶ選択してみたら?(でも毎月定額のお金はちょうだいね)」というビジネスです。
このサブスクリプションサービスの支払いはクレジットカードなどで定額自動課金されるのが一般的です。毎月のようにクレジットカード番号を訊いていたのでは、なかなか継続してもらえませんからね。
そして一度登録すると、退会するまで毎月、利用料金が自動的に引き落とされます。そのため、使わなくなったサービスに対しても、ずるずると払い続ける人が少なくありません。
サブスクリプションサービスの必要性は、加入前はもちろん、加入後も「実は損をしていないか」を常にチェックすることが重要です。方法は簡単、「1回ごとにお金を払う場合」と「月額固定で払った場合」と、どちらがコストが安いかを比較するだけです。
音楽配信サービスでCD代が激減した
私は音楽が趣味で、音楽評なども書いています。ですので、1カ月に相当数の音源を買っていました。それが月に約1000円で聴き放題の「AppleMusic」や「Spotify」などの無制限音楽配信サービスに加入した途端、私の音楽支出費用は激減しました。
ただそこにはデメリットもあります。それはサービスをやめるとこれまで聴いていた楽曲が聴けなくなることです。でも半永久的に聴けるCDを購入したとしても、私は10年も前に買った音源を聴きません。ですから途中でサービスを退会して音源が消えても、それほど不都合はありません。そこで「コスト」と「リターン」を考えた結果、このまま継続するべきだと判断しました。
また、私は仕事柄、定期的にビジネス系のドキュメンタリー作品も、レンタル(購入)、あるいは映画館で観覧したりしてきました。これも「Netflix」に加入することで費用が激減しました。
現時点では存在しませんが、もしも月額10万円で書店の本を無制限で買えるサービスがあれば絶対に加入します。現在、仕事の専門書などで月20万円くらいは書籍を買っているためです。