都立中高一貫校も高校募集廃止の傾向に

全国には公立の中高一貫校があり、私立中高一貫校と同様に、受験をクリアしないと入学できない。それだけにどの高校も、いわゆる進学校として国公立大や有名私大への合格実績を残している。

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都立では、2005年に東京都立白鴎高等学校(台東区)が附属中学校を開校し、初の都立中高一貫校が誕生した。現在は、都立桜修館中等教育学校(目黒区)、都立小石川中等教育学校(文京区)、都立立川国際中等教育学校(立川市)、都立三鷹中等教育学校(三鷹市)、都立南多摩中等教育学校(八王子市)、都立大泉高等学校附属中学校(練馬区)、都立富士高等学校附属中学校(中野区)、都立武蔵高等学校附属中学校(武蔵野市)、都立両国高等学校附属中学校(墨田区)の計10校がある。

なお、「~中等教育学校」の名称の5校はもともと中学募集のみで、高校募集はおこなわれない。一方、「~高等学校附属中学校」の名称の5校は、校名の通り中学校はあくまでも高校の付属としての位置づけであり、中学募集、高校募集の双方をおこなっている。

しかし、である。

この5校の「~高等学校附属中学校」がこれから順次高校募集を停止するのである。2021年度は都立富士高等学校附属中学校、都立武蔵高等学校附属中学校が、2022年度からは都立両国高等学校附属中学校、都立大泉高等学校附属中学校公庫募集を停止する。都立白鷗高等学校附属中学校のみは時期未定となっている。

都立中高一貫校のこうしたシフトチェンジは今後、中学受験、高校受験に大きな影響を与えるはずだ。

頭のいい中学生女子が進む私立高校が消えつつある

そして、都立中高一貫校の高校募集停止プラン以上に受験生にショックを与えそうなのが、冒頭で触れた豊島岡女子の2021年度からの高校募集停止だ。とりわけ影響を受けると思われるのが、首都圏の女子の「学力優秀層」だ。

なぜか。豊島岡女子学園の高校募集停止によって、女子学力優秀層が目指す「難関女子進学校」がほぼなくなってしまうことを意味するからだ。

中学受験をおこなっている東京都内の女子進学校(四谷大塚の模擬試験偏差値43以上)を一覧化した表を見てほしい(図表1)。23校の女子進学校のうち、現在高校募集をおこなっているのは「豊島岡女子学園」(基準偏差値70)と「江戸川女子」(基準偏差値44)の2校のみ。ここから豊島岡女子学園の選択肢が消えるという事態は極めて深刻だということが分かるのではないだろうか。