これからの日本とイギリスの関係は、イギリスの決断が大きく関わってくる。ソフト・ブレグジットになるのか、ハード・ブレグジットになるのか、イギリスは岐路に立っている。

その中で日本との関係においては、日英FTAを結ぶことの優先順位は相対的に高いと思う。その先にTPP11への参加という可能性もあるだろうし、イギリスからはポジティブな要素が出てくることになるだろう。

コモンウェルスは経済規模のばらつきが大きく、1つの経済ゾーンをつくることは難しいが、TPP11も含めて欧州以外の地域との関係強化を図っていくことになるだろう。

ラグビーワールドカップが開催

ところで現在、ラグビーワールドカップが開催されており、いくつかのゲームを実際に見た。

日本はホスト国として本当に素晴らしい「おもてなし」を実践されている。20年の東京オリンピックも成功間違いないと確信した。

ラグビーワールドカップには、イギリスはイングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドの4つのチームに分かれて出場している。大英帝国は4つの地域によって構成されているからだ。

アイデンティティーが4つに分かれ、別々のチームが出ているように見えるが、実際には大英帝国という1つのアイデンティティーによって調和が保たれていることがポイントだ。

たとえば、これがスペインであった場合、スペインという国とは別にカタルーニャ州代表チームが出場できるかというと、極めて難しいのではないかと思う。

非常に面白いのはアイルランドのチームだ。北アイルランドと南アイルランドの混成チームとなっている。普段であれば実現しないようなことであるが、両者がお互いに受け入れ合って1つのチームを構成している。まさに、ラグビー・マジックと言えよう。

ただし、このアイルランドのチームも、ブレグジットが完遂されれば、EUに加盟している領域と加盟していない領域から構成されるチーム編成になる。非常に不思議な状況が生まれることになるだろう。