文氏の支持率は過去最低の39%にまで落ち込んだ

文氏の支持率は下落を続けている。10月18日には韓国ギャラップの世論調査で、「39%」と初めて30%台まで落ち込んだ。来年4月の総選挙をなんとか乗り越えたい文政権にとっては大きな痛手である。

支持率の低下の原因は3つある。

1つが韓国経済の低迷。

2つ目が北朝鮮への対応。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長は文大統領を相手にしなくなった。アメリカのトランプ大統領をおさえておけば、それで十分だと判断したのだろう。南北統一など夢のまた夢である。

3つ目が10月14日に法相を辞任した曺国(チョ・グク)氏の疑惑。韓国の検察は24日、曺氏の妻をファンドの不正な運用や娘の大学・大学院への不正入学などに絡む計11の容疑で逮捕した。検察が曺氏自身に対する事情聴取に踏み切る可能性は高い。

曺氏を法相に任命した文大統領に対する韓国国民の怒りは爆発寸前だ。こうした事情と背景については、10月17日の記事「『反日の元凶』文在寅を見捨てはじめた韓国世論」に書いた。

「責任は韓国政府にこそある」と一方的に繰り返す読売社説

読売新聞の社説(10月25日付)は冒頭から次のように主張する。

「韓国政府が、元徴用工の問題で対応策を取る。それが日韓関係を正常化する第一歩である」

安倍政権を擁護することが大好きな読売社説である。見出しも「元徴用工問題 文政権は国家間の約束を守れ」と韓国に強く是正を求めている。ここは建前でも構わないから、韓国の立場を考慮する姿勢を見せる必要がある。それがぎくしゃくしている日本と韓国にとって有効な潤滑油になるからだ。

読売社説は続けて書く。

「文在寅大統領は李氏を通じて安倍首相に親書を送った。『懸案が早期に解決するよう努力しよう』という趣旨が書かれていた」
「日本企業が不利益を被らないよう、善後策を講じる責任は韓国政府にこそある。日本にも譲歩を求めるかのような文政権の姿勢は受け入れられない」

「責任は韓国政府にこそある」「文政権の姿勢は受け入れられない」と読売社説の主張は一方的である。この社説を書いた論説委員は、「相手の国があってこそ」という外交の基本をどう考えているのだろうか。