そこに報道されたのがこの火災のニュースだった。世界を代表する熱帯雨林アマゾンで、これまでにない大規模な森林火災が起きている。その原因は経済を優先した人間の手によるものである事実を突きつけられたのだ。
バラバラに見えた異常気象が大火災でつながった
気候変動は火災の直接の原因ではないとはいえ、温暖化による高温で乾燥した気候のせいでより延焼しやすくなっているのは間違いない。さらに、通常はアマゾンの熱帯雨林によって吸収されている二酸化炭素を含む温室効果ガスが、火災のために逆に大気中に放出されているのも事実だ。
また進行する森林破壊の結果、アマゾンは砂漠化のリスクがますます高まっている。本当に「サバンナ」化してしまった場合、その分の二酸化炭素が吸収されなくなるから、温暖化はますます進行するというサイクルが起こってくる。昨年国連が発表した「向こう12年間に有効な対策を行わなければ、温暖化に歯止めがかからなくなる」という警告も重なった。
これまで、アメリカ国内で散発的に起こっていた気候変動を感じさせる気象や、国連をはじめとする専門機関や科学者からの報告が、世界の熱帯雨林の象徴であるアマゾンで起きたことで、これまでバラバラだった点が突然ひとつの線となり、面となって目の前に迫ってきたような感覚かもしれない。
セレブやアパレルブランドもいち早く表明
セレブや企業の反応も早かった。もともと熱帯雨林保護活動に熱心だったレオナルド・ディカプリオは、アマゾンの保護活動に対する5億円の寄付を宣言。また彼が投資し、若者にカルト的人気のシューズブランド「オールバーズ」が、ミネラルウォーター「Just Water」(ウィル・スミスと息子のジェイダンが共に創業)との限定コラボシューズを作り、収益の100%を寄付することも決定した。
このほか、ファストファッションのH&M、スニーカーのVansなど、ミレニアル世代・Z世代(1981年~2010年くらいまでに生まれた世代)が支持するブランドが、森林火災に対するブラジルの対応を懸念し、ブラジル産皮革の購入を取りやめると発表している。
一方、一般市民がアマゾンを救うにはどうすればいいのか? という情報もネット上をかけ巡った。
そこで目を引いたのは、自然保護団体への寄付、抗議活動への参加などとともに「森林伐採の原因となる紙の消費を減らす」、さらには「肉の消費を減らす」という提案がされていたことだ。