「環境省の所管外」で逃げるのは官僚の論理
小泉氏の発言では、もうひとつ気になる点がある。原発事故の汚染水の処理対策について見解を求められると、「環境省の所管外」として逃げていることだ。確かに汚染水処理の問題は所管としては経産省ではある。
しかし、それを理由に、自身の考えを語るのを控えるのであれば、それは役所縦割り行政から抜け出せない官僚答弁と同じだ。
小泉氏は安倍内閣の閣議を構成する国務大臣の1人である。国政全般について発言を求められれば政治家として責任を持った発言をすべきではないか。
発言が安全運転になれば、好感度はしぼんでしまう
安倍内閣にあって小泉氏の注目度は圧倒的に高い。内閣改造後に行われた報道各社が行った世論調査でも小泉氏が入閣したことを高く評価する意見が多数を占めた。
しかし、小泉氏の人気の源泉は、若さ、スマートさに加え、分かりやすく正論を吐くところだった。時には、安倍氏に対する異論も語る、そのスタンスが安倍政権に批判的な層からも好感をもたれていた。
その小泉氏の発言が、安全運転になってしまったら、好感度はしぼんでしまう。SNSでの、からかわれ方を見ると、すでに小泉氏の人気は下降線をたどり始めたとみてもいい。
そもそも自民党総裁選では、石破茂元幹事長を支援するなど安倍氏に距離を置いてきた小泉氏が入閣した時から、「安倍氏にポストをちらつかされて取り込まれた」という批判がついて回る。