しかし、ここで注意すべき点があります。企業を訪問して優れた経営手法が使われている現場を見るのはすばらしいことですが、あなたの会社の社員に外部のアイデアを受け入れる用意と覚悟と能力がない場合には、それは無意味です。社員にそうしたものがない場合は、まず、会社の文化を一部修正する必要があるでしょう。
そのためには、会社に漂っているNIH症候群(うちで生み出したものではないから受け入れないという姿勢)を一掃して、代わりに偏見を持たず外部のものを積極的に受け入れる姿勢を導入しなければなりません。この入れ替えは、外部のアイデアを見つけて、それを自社に持ち込んだ社員を賞賛の言葉や金銭的見返りや昇進によって讃えることで加速させることができます。やがてふと気づくと、あなたはあらゆる方面からのすばらしいアイデアに取り囲まれていることでしょう。
もちろん外部のアイデアを持ち込むことは、とりわけあなたのところのような成功している企業では、気の遠くなるような作業になることがあります。が、ひるんではなりません。次の成長レベルに進みたいと本気で思っておられるのなら、視野を広げ、思考を広げ、流儀を変える力を持つアイデアを使っている企業を、あらゆるところに探し求めてください。そして見つかったら、電話してみてください。必ず誰かが答えてくれるはずです。