17年前に会社を興し、今では堅実な黒字会社に成長しています。次の成長レベルに進むためのアドバイスをどこから受ければよいでしょうか。ほとんどの書物がスタートアップ企業と大企業に的を絞っているように思えます。わが社はそのどちらでもありませんが、すばらしい社員とすばらしいビジネスモデル、それに真の熱意があります。ジェリー・ジャムパーリャ(ニュージャージー州マーワー)


 

あなたの質問に対するひとつの答えはすぐそばにあります。電話です。もっとも私たちが提案しようとしていることは、あまりスマートとは言えない変わった電話の使い方のように感じられるかもしれませんが。受話器をとって、興味深い画期的な経営手法を使っていると思われる企業に電話してみましょう。そして、その手法が実際に使われているところを見せてもらえないかと頼んでみましょう。

まず間違いなく「いいですとも。では、手はずを決めましょう」という返事が返ってくるでしょう。

そんなにすんなりいくとは思えませんか? そうかもしれませんね。でも、私たちはそれがうまくいくのを過去数年間、繰り返し目にしてきました。実際、ほとんどの人が、教えを乞うてくる企業があればどんな企業にでもその企業の規模や知名度や市場での力に関係なく自分の成功について語りたくてうずうずしているのです。つまり、大物経営者や有名企業の社員でなくても、受け入れてもらえるということです。必要なのはアドバイスをくださいと頼む勇気だけなのです。

もちろん、競争相手のところに聞きにいけと言っているのではありません。でも世の中には、あなたの会社の業績を間違いなく高められる経営手法を使っている企業がほかにも山ほどあるのです。

たとえば、多くの企業がトヨタから(カンバン方式などの)リーン生産管理手法を学びました。トヨタは誇りを持って工場を開放し、生きた教室にしたのです。ウォルマートも同様に、在庫を正確に管理し、顧客のニーズによりよく応えるために、情報技術をどのように活用すればよいかを、訪れてくる多くの企業に教えてきました。

しかし、アドバイスを求める先として、誰もが思い浮かべるお決まりの企業だけを考えたのではいけません。

何千とは言わないまでも何百もの企業が「シックスシグマ」品質管理プログラムを使っており、なかには興味深い新しい使い方をしているところもあります。「ネット・プロモーター・スコア(NPS)」と呼ばれる顧客ロイヤルティ測定基準など、将来性のある多くのマネジメント・コンセプトについても同じことが言えます。要するに、先生は至るところにいるわけで、あなたはただそうした先生を見つけるだけでいいのです。そして、それは難しいことではありません。メディアがひっきりなしにサクセスストーリーを紹介しており、たいていは問い合わせ先を目の前に差し出してくれますから。