従来にはない運営形態を目指すチャンス
中でも注目したいのは、省人化への取り組みだ。コンビニ企業が無人形態での24時間営業を実現できれば、本部とオーナーをはじめ、多様な利害を調整しやすくなる。海外では、アマゾンなどが無人コンビニの運営に取り組んでいる。
このコンセプトがわが国に合うか否かを確認するには、実証実験が欠かせない。人手不足が深刻化している今こそ、企業が新しい発想に取り組み、従来にはないコンビニなどの運営形態を目指すチャンスだ。
コンビニ業界で、ピンチをチャンスととらえ、ダイナミックに経営の革新を目指す経営者が増えることを期待したい。新しい発想を経営に持ち込む企業が増えれば、わが国経済のダイナミズムも高まるだろう。
法政大学大学院 教授
1953年神奈川県生まれ。一橋大学商学部卒業後、第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。ロンドン大学経営学部大学院卒業後、メリル・リンチ社ニューヨーク本社出向。みずほ総研主席研究員、信州大学経済学部教授などを経て、2017年4月から現職。