現場の声を聞く前に、本部が明確な方針を示せ

同社は、本部に現場の意見が集まりづらくなっていたと説明しているが、根本の問題は経営者にある。経営者は、組織(本部と加盟店)全体に対して、明確に今後の方針を伝えなければならない。セブンイレブンは、店舗運営の負担軽減と顧客満足の向上を両立するための方策を、加盟店オーナーに示す必要がある。それが不安や不満が蔓延する組織を一つにまとめ、持続的な成長を目指すために不可欠だ。

トップ交代後、セブンイレブンは、組織全体をまとめることよりも、個別の事情に応じた柔軟な対応を重視している。本部が明確な方針を示さないまま現場の声を聞くことは、不満を聞いたこと止まりになってしまう恐れがある。そうなると、フランチャイザーとフランチャイジー間の対立は一段と深刻化しかねない。同社の先行きはやや不安だ。

ローソンは全店舗に“セルフレジ”を導入する方針

経営者がビジネスモデルを揺るがす問題にどう対応するかが、企業の将来を左右する。問題が発生した状況は、組織構成員の意識を一つにまとめるチャンスでもある。コンビニ各社トップがそうした発想を持てるか否かが重要だ。

わが国にとって、人手不足は構造的な問題だ。今後、経済全体で人手確保は難しくなるだろう。企業はそれを見越して戦略を練らなければならない。小売業界などでは、いかにして人材を引き付けるかが成長を左右するだろう。

そのために、企業が省人化技術を導入し、生産性の向上に取り組むことは不可避だ。その上で企業は、就業者がより能率的かつ生き生きとビジネスに取り組むことのできる環境を目指さなければならない。

コンビニ業界では、そうした取り組みと並行して人口動態や昼夜の利用者数の違いなどを見極め、地域ごとに営業時間を調整して収益を獲得することが目指されるべきだ。深夜の店舗運営の負担をカバーするために、深夜の割増価格も検討されてよい。それがコンビニ運営企業にとっての“実情に即した経営判断”だ。

一例として、ローソンは、全店舗に“セルフレジ”を導入する方針だ。加えて、同社は24時間営業に関しても、環境の変化に応じて柔軟に対応しようとしている。コンビニ業界では、こうした考え方が増えていくだろう。